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エスペラントとは?


目次


全体的な紹介

エスペラントは、中立で使いやすい国際共通語です。

エスペラントは民族の言語や文化をその歴史的遺産として尊重し、大切にすると同時に、 それぞれの言語や文化の違いを越えて人々がコミュニケーションできるようにするために 橋渡しの役目を果たすことを目的としています。

現在、多くの分野で英語が事実上の国際語として使われていることは否定できません。 しかし、英語は特定の民族、国家の言葉です。英語でのコミュニケーションは英語の ネイティブスピーカーにとっては都合のよいことですが、外国語として勉強する必要のある 人間にとっては不都合です。これはコミュニケーションとしてフェアなあり方ではありません。

エスペラントは、特定の民族集団や国家、地域と対応しておらず、その大部分の話者が、 この言語を自分の意思によって選択して学習し、その結果として習得した人であるという点で、 極めて特徴的です。自分の母語を他者におしつけることなく、それぞれが他者に歩み寄る姿勢を もっているのです。

このため、エスペラントの使用者(エスペランティスト)はそれぞれ個人として平等の立場に 立って話し合うことができるのです。この意味でエスペラントは中立公平です。

エスペラントは1887年、当時ロシア領だった現在のポーランドに住むユダヤ人眼科医ザメンホフ (L.L. Zamenhof)が提唱したものです。単語の要素(形態素)を主にヨーロッパ諸語から取り入れ ながらも、語構成(造語法)と文法が整理されていて、他の言語に比べてはるかに容易に修得する ことができます。文法の概要は 「エスペラントの鍵」 に手際よくまとめられています。

エスペラントの言語共同体は、自分の母語に加えて、特定の民族集団に属さない言語を 意識的に選択した上で学習して使用するという共通の意思と行為を基礎にしてゆるやかに 結ばれています。個人の自由意志に基づいているため、その基盤は必ずしも強固とはいえず、 また、捉えにくい側面があります。しかし、2回の世界大戦、冷戦体制とその崩壊などの社会的な 激動の中を、120年以上にわたって、エスペランティストたちは中立公平な国際共通語の実践を 続けてきました。これらの人々の活動によって、エスペラントは生きた言語として育ってきて います。

世界では、ヨーロッパが活動の最も盛んな地域ですが、アジア、アメリカ、 オセアニアそしてアフリカなど世界各地にエスペランティストがいます。

東アジアでは日本の活動が特に有力です。エスペラントは20世紀の はじめごろからさまざまなルートを通して日本に伝わってきましたが、1906年に 二葉亭四迷が日本 最初の教科書を刊行し、黒板勝美らによって日本エスペラント協会が設立されて、 組織的な活動が始まりました。その後、多くの人々が直接間接にエスペラントに 関わり、活動が続けられてきました。

日本における組織的なエスペラント活動に関わった人々の事跡を記録した 『日本エスペラント運動人名事典』が刊行されました。 特に仙台という地域を例にとった、草の根でエスペラントを実践した人々の活動に関しては、 エスペラントを育てた人々 ―仙台での歴史から―を ご覧ください。

韓国や中国にもしっかりした活動があります。特に中国は出版が盛んですし、 中国国際放送局 (旧北京放送)は毎晩 短波でエスペラント番組を放送しています。 1982年から続いていた日韓青年セミナーは、95年から中国を加え、 東アジア青年エスペラント合宿 になりました。 2010年の第29回セミナーは、12月18〜20日にベトナムのハノイで、 2011年の第30回セミナーは、韓国のソンナム市で、 開かれました。

世界の多くの文学作品がエスペラントに翻訳されており、原作の文学も数多く 著されています。実用書や科学技術の専門書はそれに比べれば多くはありません が、碁や空手、マッサージ、料理から中国哲学、経済学、気象学、解剖学に いたる幅広い分野の本が出版されています。歌のテープやCD、ビデオもあります。 その一端は日本エスペラント協会の 「エスペラント図書カタログ」で知ることができるでしょう。

中国国際放送局以外のラジオ放送は日本では安定して聴取することが 難しいようですが、インターネットによって 世界各地からの放送のアーカイブ を聞くことができます。

世界大会が、1905年以来(世界大戦の間を除いて)毎年開かれている ( 2012年はベトナムのハノイで 第97回世界大会、 2013年はアイスランドのレイキャビクで 第98回世界大会 2014年はアルゼンチンのブエノスアイレスで 第99回世界大会、 2015年はフランスのリールで 第100回世界大会、 ) のをはじめ、世界青年大会やそのほか大小さまざまな会合が催され、通訳のいない国際会議が 実現されています。 1994年の第50回世界青年大会 (参加記)は韓国チョナン(天安)市で、 2000年の 第56回世界青年大会は香港で、 2007年の 第63回世界青年大会はハノイで、 開かれました。

日本では年一度の日本大会 ( 2013年は東京都江戸川区で 第100回日本エスペラント大会、 2014年は福井県小浜市で 第101回日本エスペラント大会、 2015年は仙台市で 第102回日本エスペラント大会、 2016年は近江八幡市で 第103回日本エスペラント大会、 ) が最大の行事です。他の主なものは 「主な国内外のエスペラント行事」「催し物情報」に案内があります。

世界90ヶ国の1450人(2010年度現在)がホストとして登録しているホームステイの ネットワーク、 パスポルタ・セルヴォを利用して、安い宿泊費で密度の濃い海外体験を することができるのも、エスペラントならではのことです。 Esperanto por vojag^antojのページで、旅行でよく使うエスペラントの 簡単な単語や表現を日本語から調べることもできます。

言葉としてのエスペラントは、各地の講習会で学べる他、 入門書・辞書を使って独習することもできます。沼津エスペラント会による 初級通信講座も定評があります。

ネット上にも、 Kurso de Esperanto (日本語版もあるエスペラント自習ソフトの無償配布)や、 lernu!Duolingo、 沼津エスペラント会の 「ネットワーカーに贈るエスペラント入門」、大信田丈志さんの 「作文教室」、阪直さんの 「英語から入るエスペラント」などのサイトがあり、オンラインで 学習することもできます。ウェブ上で引ける 実用エスペラント小辞典もあります。

2006年、後藤が編集副主幹として関わった『エスペラント日本語辞典』(日本エスペラント学会)が 刊行されました。これは「高度な学習辞典」を目標に編集されたもので、重要語を 中心に語義説明や用例を充実させ、学習上の疑問に答える注記も多くしてあります。

世界エスペラント協会NGOの一つとして国連やユネスコに協力して います。ユネスコはエスペラントの意義を認める決議を2回行いました。1954年 ウルグアイのモンテビデオで開かれた 第4回総会で採択された決議(IV.1.4.422-4224)では、 エスペラントがそれまで国際交流で示した 成果を認め、それがユネスコの目的に合致すると述べています。 1985年ブルガリアのソフィアで開かれた 第23回総会での決議(XXIII.11.11)は、エスペラントの百周年を2年後に控えて、 それを祝賀するとともに、加盟国やNGOに対して祝賀行事に協賛するよう呼びかける ものでした。

日本エスペラント協会も、国内の ユネスコ活動に協力しています。各地のエスペラント会の中にも、 地域の国際交流に貢献しているところがいくつもあります。

1994年のノーベル経済学賞受賞者 Reinhard Selten氏 (元ボン大学教授)は、エスペラントを通じて夫人と知り合い、 エスペラントは今でも人生に大きな影響を与えている、と語っています。

1996年7月チェコのプラハで開かれた第81回世界エスペラント大会で採択された 「国際語エスペラント運動に関するプラハ宣言」もお読み下さい。これは 言語権を保障する民主的な国際コミュニケーションという観点からエスペラント 運動を捉え直そうとするものです。

EUにおける言語問題の解決策としてエスペラントを考える人もいます。

外国語が読める方は エスペラントFAQMultilingual Esperanto Information もご覧下さい。

直接にエスペラントに関するものではありませんが、ユネスコの LINGUAPAX Project も参考になるでしょう。また、「言語権」という考え方については Universal Declaration on Linguistic Rights (言語の権利に関する世界宣言 CCC研究所による日本語訳) も一読の価値がありそうです。

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雑誌記事から

参考として、後藤が書いた文章もどうぞ。なお、掲載誌によって想定する読者対象が 異なりますので、お読みの際はお含みおきください。

「言語空間 エスペラントは印欧語でない」
『月刊言語』第9巻(1980)4月号, pp.121-122.
「言語学史の中の国際語論」
『月刊言語』第12巻(1983)10月号, pp.65-69.
「エスペラントとヨーロッパ諸語の類似について」
『エスペラント』第55巻(1987)9月号, pp.7-8.
「大会の講演を聞いて」
『エスペラント』第55巻(1987)10月号, pp.15-16.
「バランギャンを悼む」
『La Movado』第493号(1992)3月号, pp.1-2.
「言語圏α ボウルトン著『エスペラントの創始者 ザメンホフ』」
『月刊言語』第23巻(1994)6月号, p.137.
「言語にとって運動とは?」
『エスペラント』第64巻(1996)7月号, pp.5-6.
「書評 渡辺克義『ザメンホフとエスペラント』」
『エスペラント』第65巻(1997)3月号, pp.30-31.
「『プラハ宣言』への視点」
『エスペラント』第65巻(1997)6月号, pp.12-13.
「インターネット言語学情報 第5回 言語の多様性と言語権」
『月刊言語』第27巻(1998)5月号, pp.100-101.
「『世界言語権宣言』とは」
『エスペラント』第67巻(1999)1月号, pp.6-7.
「現代のことばの道 ―インターネットの多元的傾向と一元的傾向」
『月刊言語』第29巻(2000)6月号, pp.66-69.
「人間の言語の本質は音声言語」
『エスペラント』第68巻(2000)8月号, pp.2-4.
「ザメンホフ」
『月刊言語』第30巻(2001)2月別冊号, pp.16-17.
「学校に緑の風を 東京外国語大学」
『エスペラント』第72巻(2004)1月号, pp.23.
「待望の『エスペラント日本語辞典』刊行!」
『エスペラント』第74巻(2006)8月号, pp.12-13.
「『エスペラント日本語辞典』の編集方針」
『La Movado』第668号(2006)10月号, p. 11.
「日本エスペラント運動100周年―普及活動「仙台」が貢献」
『河北新報』2006年11月16日朝刊文化欄

特集

以前入力したエスペラントアカデミー選定のBaza Radikaro OficialaをCSVフォーマットに変え、テキストファイルで公開します。
Baza Radikaro Oficiala en CSV-formato (54K)
ただし、説明はありません。Baza Radikaro Oficiala の意味は別途お調べ 下さい。

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日本エスペラント協会

日本エスペラント協会は、エスペラントの普及発展を目的として 日本におけるエスペラント関係者の全国的法人組織として国内で種々の活動を行っています。 1919(大正8)年に創立(1926年に財団法人として認可)された日本エスペラント学会が 2012年に改称したものです。日本のエスペラント運動を国際的に代表して 世界エスペラント協会(本部はオランダ、 ロッテルダム)に加盟しています。

主な事業

  1. エスペラントに関する調査、研究
  2. 講座、講演会の主催・後援
  3. 雑誌、図書の発行や取り次ぎ
  4. 学力検定試験の実施
  5. 会員サービス
  6. 地域・専門分野の活動の支援

日本エスペラント協会のホームページ

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国内(日本人)のエスペラント関連ページ


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日本エスペラント協会
〒162-0042 東京都新宿区早稲田町12-3
Tel. 03-3203-4581, Fax: 03-3203-4582
E-mail: esperanto@jei.or.jp


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2016-04-13T14:04:56+09:00
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