産婦人科・生殖医学で広報・政治活動に使われているグラフの科学的根拠の検討

Unscientific charts used in obstetrics, gynecology, and reproductive medicine
田中 重人 <http://tsigeto.info/16w>
(東北大学)
第26回日本家族社会学会大会 (2016-09-11)

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報告要旨

産婦人科・生殖医学では、科学的根拠のないグラフが広報と政治活動に使われている。これらの問題点を解説するとともに、政府の「少子化対策」との関連を検討する。

(画像については、 報告要旨PDF版 をごらんください)

図1: 少子化危機突破タスクフォース (2013) [1]。Bunting et al. [2] Fig 1 に加筆したもの。翻訳の質が低く、国際比較に使える調査ではない (http://tsigeto.info/16z) 。
図2: 日本生殖医学会(2013) [3]。 Menken et al. [4] Fig 1 の10本の線から、傾きの大きい線が多く選ばれている。4本中1本は元グラフになく、凡例は間違い (http://tsigeto.info/16m) 。
図3: 辻本ほか (2013) [5]。データ源不明。世界各国のウエブサイト多数に出現する (http://tsigeto.info/15w) 。最も古くは Carcio (1998) [6]。
図4: 齊藤 (2014) [7]。Dunson et al. [8] Fig 2に加筆したもの。ベイズ推定だが、モデルと事前分布が特定できない。同データによる別論文 [9] と結果が全く違う。

文献

  1. 少子化危機突破タスクフォース (2013) 「妊娠・出産検討サブチーム報告」少子化危機突破タスクフォース(第3回)資料4 (2013年5月7日) {http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/taskforce/k_3/pdf/s4.pdf}
  2. L. Bunting et al. (2013) "Fertility knowledge and beliefs about fertility treatment". Human reproduction. 28(2): 385-397. {doi:10.1093/humrep/des402}
  3. 日本生殖医学会 (2013) 「年齢が不妊・不育症に与える影響」{http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa18.html}
  4. Jane Menken, James Trussell , Ulla Larsen (1986) "Age and infertility" . Science. 233: 1389-1394. {doi:10.1126/science.3755843}
  5. 辻本陽子 ほか (2013)「出産希望年齢と妊よう力知識の関連」平成24年度厚生労働科学研究費補助金 総括・分担研究報告書, pp. 177-182. {http://www.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h24/19019A130.pdf}
  6. Helen Nelson Carcio (ed.) (1998) Management of the infertile woman. Lippincott. {ISBN:0781710448}
  7. 齊藤英和 (2014)「妊娠適齢期を意識したライフプランニング」新たな少子化社会対策大綱策定のための検討会(第3回)資料 (2014年12月12日) {http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/taikou/k_3/pdf/s2-1.pdf}
  8. David B. Dunson, Bernardo Colombo, Donna D. Baird (2002) "Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle". Human reproduction. 17(5): 1399-1403. {doi:10.1093/humrep/17.5.1399}
  9. Bernardo Colombo, Guido Masarotto (2000) "Daily fecundability". Demographic research. 3(5). {doi:10.4054/DemRes.2000.3.5}

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