名誉教授 有賀 祥隆 |
【履歴】
1963年3月 東北大学文学部(東洋芸術史科)卒業
1963年4月 東北大学文学部助手(〜1965年3月)
1967年7月 文化財保護委員会事務局美術工芸課文部技官
1979年4月 文化庁文化財保護部美術工芸課文化財調査官
1979年8月 奈良国立博物館学芸課普及室長
1982年4月 同 仏教美術資料研究センター資料管理研究室長
1987年5月 文化庁文化財保護部美術工芸課文化財調査官
1989年4月 同 主任文化財調査官
1990年4月 東北大学文学部教授(東洋・日本美術史講座)
2000年4月 東北大学大学院文学研究科教授(東洋・日本美術史講座)
2004年3月 同 定年退官
現在、東北大学名誉教授
【研究テーマと研究内容】
(1)平安仏画の研究
平安仏画−平安時代の仏教絵画−の展開を図像・表現技法・信仰・修法などの視点からとらえ、明らかにする。平安時代は、奈良時代からの絵画様式を継承するとともに、中国の中唐・晩唐の絵画様式を積極的に受け入れ、次第に日本の風土や日本人の感覚にあったものに変え、そしてついに日本独自の絵画様式を確立した時代である。平安時代約400年にみる文化の受容・変容・形成・確立のパターンは、日本の通史にみられるところで、平安仏画の様式的展開を明らかにすることは日本絵画史の大要をとらえる手掛かりとなる。
(2)日本絵画の特質
日本絵画の特質は何か、どのような方法によってそれを知ることができるか。日本独自の絵画様式を確立した時代の絵画――平安仏画、桃山障壁画、琳派装飾画など――に共通する特色を抽出できれば、それが日本絵画における"日本的なもの"であり、ひいては世界美術に対して独自性を主張することができるのではなかろうか。
(3)日本絵画全史
日本在来の「神道的」な思想・感覚と外来の「仏教的」な思想・感覚とが日本美術の「形と色」にどのように反映されていったのか。とくに『法華経』の精神(「諸法実相」)に視点を置いて日本絵画を概観する。
【主要業績】
「准胝観音像について」『國華』第1030号、1980年1月
「鋳銅刻画蔵王権現像雑攷」『國華』第1094号、1986年6月
『仏画の鑑賞基礎知識』、至文堂、1991年5月
「大和文華館所蔵文殊菩薩像について」『大和文華』第92号、1994年9月
『截金と彩色』(『日本の美術』373) 至文堂、1997年5月
東北大学 東洋・日本美術史研究室 > 歴代教官 | 2008年07月01日 更新 |