研究科長・学部長から
2026年7月23日
ごあいさつ
膨大な情報が瞬時に生まれ、めまぐるしく行き交う現代社会においては、根拠のない主張や不確実な言説が横行し、物事の本質が見失われがちです。スピードや効率ばかりが優先されがちな今だからこそ、資料をじっくりと読み解き、時間をかけて緻密な考証を重ねる文学部・文学研究科の伝統が、その真価を発揮します。事実に基づき、論理的な思考を地道に組み立てていく学問の営みこそが、溢れる情報に惑わされることなく、複雑な時代を生き抜くための力となるからです。
文部科学省の「国際卓越研究大学」第一号に採択されて以来、東北大学では世界最高水準の研究大学を目指して全学的な変革が展開されています。文学部・文学研究科においても、国内外の卓越した研究者を招き、伝統の継承と新たな挑戦を通じて、次世代の価値を創造する教育・研究の場を着実に形成しつつあります。「人間とは何か」という根本的な問いに向き合い続ける人文学の営みは、文系・理系といった従来の枠組みにとらわれない柔軟な思考を育み、多様な価値観を尊重しながら他者と協働し、複雑な問題を解決へと導くための確かな基盤となります。
東北大学文学部・文学研究科は、長い歴史の中で培ってきた知識と知見を広く社会へ拓き、多様な課題に向き合いながら、未来社会に寄与する新たな知の創造と人材の育成に邁進してまいります。
東北大学 大学院文学研究科長・文学部長
矢田 尚子
