東北大学紅葉の賀高校生俳句賞

令和6年度(2024年度)

渡辺誠一郎賞

最優秀 蝉落ちるころ東京の軽くなる 三浦温人
優秀 広げれば涙痕のある銀杏の葉 泡生爽*1
優秀 白息に追いつけ追い越せ陸上部 政野美空*2
入選 暇乞い空気しょっぱき秋の暮 木口杏(木口真乃加)*3
入選 先生のスマホに十五夜の通知 横塚ひばり
入選 水紋に 銀杏 いちょう が触れる五秒前 池田玲亜

東北大学文学研究科長賞(長谷川冬虹選)

最優秀 新涼の頭の丸いネジひとつ 長谷川文音*4
優秀 診断書三つ折りにして鶏頭花 武田小桜(武田こはる)*5
優秀 もう一度逢いにきたよとホタル舞う 桜木唄
入選 旧友と集まれた日の天の川 木村陽菜
入選 記念日に似た色をした秋の海 矢野佳音*6
入選 弟のごとき兄なり苺ミルク 長谷川文音*4

メッセージ

泡生爽*1

このたびは、このような素晴らしい賞を頂き、心より光栄に思います。これまで自分の俳句を誰かに見ていただく機会がなかったため、応募には迷いもありましたが、受賞のご連絡をいただいた際には、思い切って挑戦して良かったと感じました。 また、授賞式では、選考委員の皆様から直接講評を頂戴し、他の受賞者の方々と交流することができ、大変貴重な経験となりました。このような機会を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。

政野美空*2

この度は、このような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
冬の放課後、凍てつく寒さをものともせず白い息とともに走り込みをしている陸上部の姿に心を動かされ、この俳句を詠みました。
また、「白息」は追い越しても新たな「白息」が現れていきます。そのような点から、追いつこうとしても追いつけない高い壁をこの単語で表しました。
極寒にも酷暑にも耐え、必死に挑み続ける皆がベストを尽くせることを願っています。追いつけ追い越せ!

木口杏(木口真乃加)*3

2024年1月から俳句部に入部し、それ以降がむしゃらに俳句を作り続けていました。結果が出なく苦しんでいた中、こちらの賞に入選させていただきました。入選の知らせを聞いた瞬間飛び跳ねて喜び、その日の夜は嬉しさで眠れませんでした。
俳句人生の中で初めての入選ということもあり、自分の句に自信がつき、俳句に対して前向きに向き合えるようになりました。
この度は本当にありがとうございました!

長谷川文音*4

この度は、賞を頂戴し誠に光栄に思います。 私がこのような喜びを得ることができたのは、周りの方の支えや指導に恵まれたおかげだと思っております。
本当に心から感謝申し上げます。
これからも自分らしい句を作れるように精進していきたいと思います。

武田小桜(武田こはる)*5

この度はこのような賞をいただけて大変嬉しく思います。今後も四季折々の自然から自分の視点で様々な句を詠んでいきたいです。また、同世代の俳句に親しむ仲間と共に切磋琢磨し合いながら自分の感性を磨いていきたいです。そして何より俳句を楽しんで創作していきたいです。

矢野佳音*6

この度はこのような賞を頂戴し、誠に光栄に思います。この賞は私個人の力ではなく、これまで指導してくださった先生や先輩方、そして共に頑張ってきた仲間のお陰であると痛感しています。感謝の気持ちでいっぱいです。これからも様々な人の温かいご指導をいただきながら、俳句に尽力していきます。
この度は本当にありがとうございました。