海外への留学

交換留学

東北大学及び文学部・文学研究科と学術交流協定(大学間交流協定、部局間交流協定)を結ぶ海外の大学等で、1~2学期滞在し、現地の学生と共に授業履修・研究できるプログラムです。

  1. 授業料
    大学間交流協定、部局間交流協定の授業料不徴収条項に基づき、留学先大学からは授業料は徴収されません。(ただし、大学によっては授業料または参加費が徴収される場合があります。)

  2. 留学中の本学における学籍上の身分
    原則として、派遣留学生の所属学部・研究科の許可により「留学」とするものとします。

 部局間交流協定による留学を希望する場合は、各協定校の連絡調整担当教員または教務係にお問い合わせください。

留学状況

 
国名 大学名 学部 大学院 総計
R2 R3 R4 R2 R3 R4
インドネシア ガジャマダ大学 - - 1 1 - - - - 1
シンガポール シンガポール国立大学 - - 1 1 - - - - 1
タイ 泰日工業大学 1 - - 1 - - - - 1
ベトナム ベトナム国立大学ハノイ校 - - - - - - 1 1 1
マレーシア マラヤ大学 2 4 7 13 - - - - 13
韓国 中央大学校 - - 1 1 - - - - 1
忠南大学校 - - 1 1 - - - - 1
中国 香港科技大学 1 - - 1 - - - - 1
アメリカ アラスカ大学 - 1 - 1 - - - - 1
オレゴン大学 1 - - 1 - - - - 1
カリフォルニア大学 - 5 3 8 - - - - 8
シカゴ大学 - - - - - - 1 1 1
ニューヨーク州立大学 - 2 1 3 - - - - 3
ノースカロライナ大学 - 7 4 11 - - - - 11
ハワイ大学 - 4 1 5 - - - - 5
ベイラー大学 - 1 - 1 - - - - 1
ペンシルバニア州立大学 - - 2 2 - - - - 2
モンタナ大学 3 2 1 6 - - - - 6
カナダ ウォータールー大学 - - 2 2 - - - - 2
イギリス イーストアングリア大学 - - - - - - 1 1 1
シェフィールド大学 - - 3 3 - 1 - 1 4
ヨーク大学 - 5 2 7 - - - - 7
イタリア ヴェネツィア大学 - - - - - 1 - 1 1
ローマ大学 - - - - - - 3 3 3
オーストリア ウィーン大学 - - 1 1 - 1 2 3 4
オランダ ライデン大学 - - - - - 1 3 4 4
ラドバウド大学 - - 1 1 - - - - 1
スウェーデン ウプサラ大学 - - 1 1 - - - - 1
スペイン グラナダ大学 - - 1 1 - - - - 1
サラマンカ大学 - - 1 1 - - - - 1
マドリード・コンプルテンセ大学 - 1 - 1 - - - - 1
ドイツ ザールラント大学 - - 1 1 - - - - 1
ハイデルベルク大学 - 1 1 2 - - 1 1 3
パダボーン大学 - - 1 1 - - - - 1
ハンガリー エトヴェシュ・ロラーンド大学 - - 2 2 - - - - 2
フィンランド アアルト大学 - 1 - 1 - - - - 1
トゥルク大学 - - - - - - 1 1 1
フランス フランシュ・コンテ大学 - - - - - 1 - 1 1
リヨン政治学院 - - 1 1 - - - - 1
リヨン第二大学 - 1 1 2 - - - - 2
レンヌ第二大学 - - 1 1 - - - - 1
国立東洋言語文化研究大学 - - 2 2 - 1 1 2 4
ベルギー ヘント大学 - - - - - - 1 1 1
リトアニア ヴィリニュス大学 - - 2 2 - - - 0 2
総計 8 35 47 90 0 6 15 21 111

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イベント情報

開催日 タイトル

留学した学生の体験談

江村 玲さん

 

留学先:アラスカ大学(アメリカ)

留学期間:2019年8月26日~2020年5月2日

 アラスカ大学ではエスキモーの言語であるユピック語の授業を受けた。この大学はユピック語で学位を取れる世界で唯一の大学なのである。この言語は日本語とも英語ともほかのどの主要な言語ともかけ離れた、言語学が専門の私としては大変興味深いことばであった。全く聞いたことも見たこともない言語だったが、アメリカ開拓の時代から話者数が激減し絶えようとしている言語に目の当たりにし、またそのような言語を学ぼうとしている人たちに実際に会えたことはとてもうれしかった。冬休みにはユピック語と英語の両方で教育が行われている小学校を訪問するというとても貴重な体験をした。本やネットの情報から想像していた状況とは全く異なり、言語の死はかなり深刻化していること、しかし土地の人々は自分の民族のことばが消えゆこうとしている現実を想像よりも気にしていないことがわかった。百聞は一見に如かずというように、実際にその土地に行って感じたことは、個人的な経験としても研究活動としても大きな影響を与えただろう。
 また、アメリカでアメリカ人と一緒に言語学の授業を受けたこともとても私を大きく成長させた。クラスメイトで留学生は私だけで現地の人たちと同じペースで授業は行われる。しかし驚いたことに、クラスメイトや教授は私の拙い英語も一生懸命理解してくれようとし、同じクラスの一員として迎えてくれた。日本でこそ(良くも悪くも)外国人を外国人として扱う傾向にあるが、アメリカは多民族国家でたくさんの移民がいるせいか、私を外国人として特別な扱いをすることはあまりなかった。東北大学では言語学の基礎を主に座学で学んできたが、留学先の授業はディスカッションが主で、答えのない問いについてクラスメイトと議論できて思考力・説明力が上がった。ただ、これは東北大学でしっかりと基礎を身につけていたおかげだとも感じた。
 学問以外のことであれば、留学先では「生きぬく力」を得た。まず大学には誰も知り合いもおらず全く縁のない土地で暮らさなければいけない。私はもともと自分から人に声をかけるのが苦手だったが、一人で生きるのは不可能だったので勇気を出してクラスメイトなどに話しかけることができるようになった。また、冬休みには、上述したようにユピック語と英語の二言語教育を行っている小学校に行ってみたかったので、教授の人脈を利用して何回も校長先生にメールを送ってやっと受け入れてもらえた。さらにそこで滞在する場所がなかったので、友人に相談したところ、その親戚の家に泊まらせてもらえることになった。知らない人の家に泊まるなど、留学前の私では考えられなかった行動である。さらにその後はあるクラスで出会った友人の家でクリスマスを過ごした。現地の人の暮らしを体験してみたいと思っていたが、それを実現させることができて自己の成長を感じた。最後に、Winter Campingという授業で、アラスカの雪山を一泊二日のキャンプに2回行った。堅いブーツを履いて何時間も登るので途中で足はヒリヒリと痛むがグループの流れに沿わないといけないので歩き続けなくてはならない。夜は自分たちでテントを立て、雪から水を作ることも学んだ。この授業では、文字通り「生きる力」を身につけた。
 このように、私はアラスカという日本と全く異なる地で、新しい貴重な経験をたくさんした。私はこの留学を通して精神的に強くなったと自信をもって言うことができる。

武田 秀祐さん
 

留学先:グルノーブル・アルプ大学(フランス)

留学期間:2019年9月1日~2020年5月14日

 
 私はフランス第二の都市リヨンから電車で南に一時間ほどの場所に位置するグルノーブルという街の、グルノーブル・アルプ大学で交換留学を行いました。グルノーブルは人口16万人ほどの街で、そのうち学生が6万人を占める学生の街です。石造りの建物に囲まれた街の中心部は若者で常に活気に溢れています。大学は中心街から少し離れた静かな場所に位置しており、ちょうど東北大学と仙台市街地との位置関係に似通っています。勉強する環境としては非常に優れていました。私が住んでいた寮の部屋は非常に小さかったのですが(なんと9㎡ …!)、大学からは徒歩1分な上にルームメイトにも恵まれており、「住めば都」とはこういうことを言うのかとしみじみ実感しました。
 私はLLASIC という人文社会学を学ぶ学部に配属され、フランス言語学・フランス語圏・外国語(ロシア語・ラテン語)を中心とした授業を履修しました。授業での使用言語は全てフランス語で、前期セメスターの最初の2〜3週間は何を話されているのか全くわかりませんでした。しかし、授業の録音を何度も聞きなおし、自宅で授業ノートを完成させるというような復習の方法を繰り返していると、徐々に授業の大枠が掴めるようになってきました。大学の授業で最も印象に残っているのはフランス人学生20人程を前にフランス語で発表を行ったことです。原稿を何度も推敲し、部屋や時にはフランス人の友人の前で何度も練習を重ね、発表に臨みました。発表は非常に円滑に進み、その後の質疑応答にもフランス語で受け答えをすることができました。また、ある授業の期末試験では19/20点という非常に良い成績を取ることができ、友人と喜びを分かち合ったことを今でも覚えています。
 「異文化適応力が上がり、多様な視点が身についた!」というような紋切り型を避けるとすれば、留学生活を送る中で最も大きな収穫は、研究へ向き合う真摯な姿勢が身についたことだと思います。留学を始めるまでは学業成績に大きな問題がなくとも、それはある種「お勉強」であって、研究の実践という領域に到達することはなかったように感じます。しかし留学中に多様な文献を読んでいく中で、これまで頭の中で散在していた興味・関心が徐々に紐づけられ、「フランス語圏の(歴史)社会言語学的研究」という一つの大きなテーマにたどり着くことができました。昨今の世界的ウイルス流行により早期帰国を余儀なくされましたが、帰国後もグルノーブル大学の授業を続ける傍ら、文学部フランス文学研究室の先生方にご指導いただき、より具体的な研究を進めることができています。そのような意味で私の留学生活は、東北大学で養った諸々の基礎的能力を実践に移す非常に良い機会となったと胸を張って言うことができます。
 経験、実績ともに未だ未熟の域を出ませんが、今後ともあたたかい目で見守っていただければ幸いです。
 

海外への留学を希望する方向けの情報等