卒業・修了されるみなさんへ2022年3月25日

文学部長・文学研究科長
柳原敏昭

3月16日深夜に発生した地震により、全学の学位記授与式が予定した形では実施できなくなってしまいました。加えて、研究科の学位記伝達式等は新型コロナ感染症の影響で、例年からはかなり縮小した形で行わざるを得なくなりました。交通事情によって、やむなく出席ができなかった方もいるのではないでしょうか。感染症と地震の二つの禍によって影響を受けてしまったということになります。誠に残念なことです。さらに1月前からロシアがウクライナに侵攻するという事態が起こっています。重苦しい気持ちの方も多いのではないでしょうか。

そのような中ですが、本日、学士224名、修士74名、博士14名の方が学位を取得されました。皆さん、誠におめでとうございます。ご家族の皆様もおめでとうございます。

卒業・修了される皆さんの学生生活は、この2年間、コロナ禍とともにありました。留学生の方は、異郷で常ならぬ状況に際会することになりました。本当に厳しい経験だったと思います。そういった困難をしのいで、卒業・修了にまで至ったことについて、皆さんの努力を大いに讃えたいと思います。

さて、いま人類が、地球が大きな岐路にさしかかっているのは間違いありません。近いうちにパンデミックで変わってしまった社会をどのように立て直していくのかということが問題になるでしょう。国際秩序も大きく変わるかもしれません。気候変動という問題もあります。何が要因になるかはわかりませんが、近い将来に、我々一人一人に対して、もっと大きくいえば人類に対して、重大な選択が迫られる時が来るように思います。平坦な未来があるわけではなさそうです。これまで文学部・文学研究科で培った力で以て、みなさんどうか進んで行ってください。ご健闘をお祈りします。

以上簡単ですが、はなむけの言葉とします。

東北大学文学部同窓会副会長
鈴木瑠璃子

卒業生の皆様 幾多の苦難を乗り越え、今日の日を迎えられました事、どんなにか誇らしく、思いを深くしておられる事でしょう。ご卒業おめでとうございます。昨近のように世の中の秩序が乱れ始めている時期に社会に巣立たれる不安もおありでしょうが、今こそ皆様の学びが役立つ時期と年寄りは思います。様々なフェイクニュースの氾濫の中で、それらをしかるべき文脈に仕分けするのに、皆様の知見が求められている時代だと考えるからです。これからの長い道のり、どうぞ心身の健康に留意して歩んで行かれますよう祈念致します。