PRO-pose.

社会を生きる先輩たちの
「プロのポーズ」とは

自らよい問いを見つける大切さ 仙台市職員 冨田 芽さん 自らよい問いを見つける大切さ 仙台市職員 冨田 芽さん

子どもたちのために、自分がやるべきこと。子どもたちのために、
自分がやるべきこと。

仙台市教育委員会の職員として現在、市内小中学校の学校給食に関わる仕事に就く冨田芽さん。
「給食調理場で使用するさまざまな備品の調達や、施設整備にかかる契約など一連の業務を担当しています。市内には校内に調理場がある約80の小中学校と5つの給食センターがありますが、民間事業者に調理を委託しているセンターの場合には、契約や調整などの業務を担うこともあります」。
備品調達では調理用の大きな釜や子供たちが手にする食器に至るまで、使い勝手はもちろん安全やコストを考慮した最善の選択が行われていく。
「人間にとって食べることは命の根本となる大事なこと。成長期にある子どもたちにはなおさらです。食育という観点に加え、食物アレルギーへの対応、そして調理場で働く人たちの環境までを含めて衛生管理を推進し、安全で安心の給食を届けるために自分はどうすべきなのか、常に考えながら仕事に臨んでいます」。

「巨人の肩に乗る」意識で学ぶ。「巨人の肩に乗る」
意識で学ぶ。

高校時代に心理学への興味が高まったと語る冨田さんが、2年次に選んだのが行動科学。
「人は何を考えどう動くのか?その答えが知りたくて東北大学文学部に進学しましたが、ここでの学びは、突き詰めれば人の幸せについて考えることでした。“人間はこういう時にどう感じるか”をテーマに研究を進めていきました」。
幼い頃からコツコツと努力するタイプだったと語る冨田さんは、小学校から高校まで続けてきた皆勤賞を大学でも継続。学友会吹奏楽部やインターンシップの活動も行いながら、ひとつも単位を落とさず学業に取り組んだ。その努力の結果が、論文への評価とともに卒業時に受賞した『総長賞』につながった。
「卒業論文の執筆にあたっては研究室の先生や先輩方からさまざまな助言をいただきましたが、そのなかでは特に佐藤嘉倫先生に教えていただいた“巨人の肩に乗る”という言葉を覚えています。
先人の積み上げた知見の上に新しい発見をするという比喩ですが、この言葉どおり、先行研究をよく調べ、そこに新たな自分の“よい問い”を見つけることが何よりも大切であることを学びました。言われたから覚えるのではなく、自らテーマを見つけて学んでいく。それが大学の面白さですね」。

人の役に立つことを喜びとして。人の役に立つことを
喜びとして。

文学部では、社会学や統計学などを一定履修すると社会調査士の資格を得ることができる。また、心理学など定められた科目の履修では社会福祉主事任用資格も得られる。
「仙台市役所入庁後、社会福祉主事として3年間福祉事務所で勤務したことも貴重な経験です。これも資格のおかげだと思います」。
学校給食に関わる仕事では、教員や栄養士、技師など、専門職との連携も欠かせない。
「自分は事務職の立場なので、専門職の方々と仕事を進めていくなかでは、学生時代に学んだ行動科学の基礎に加えて、相手はどう感じるかといった想像力を発揮することも必要です。教育委員会に籍を置く以上、仕事の最大の目的は“子どもたちのために”ということ。学校訪問で子どもたちの笑顔を見ると大きなやりがいを感じます」。
実社会に出てますます、人の役に立つことが喜びになったと実感する冨田さん。これからも日々の仕事のなかで、自分らしい“よい問い”を見つけながら、行政サービスの充実をめざしていく。

冨田 芽Mei Tomita

2013年3月、文学部人文社会学科行動科学専修卒業後、仙台市役所に入庁。学位記授与式の際に『総長賞』を受賞。卒業論文は「協力行動を促す罰と報酬の効果-レジ袋削減への取り組みから-」。