教員のよこがお

助教 石田 雄樹 ISHIDA Yuki

所属

自己語りと幸福

 今でこそフランス文学を研究していますが、学部のころは漢文や日本の近現代小説を専攻していました。卒論も日本の作家について書いたのですが、紆余曲折を経て、十八世紀フランス文学、それも日本では特に知られていないレチフという作家を専門とするに至りました。しかし、フランス語もレチフも自分の気質に合っていたように思います。
 上記のような文章はまさに「自己語り」というべきものです。レチフは総ページ数6万ページを超える膨大な量の作品を遺した作家ですが、その大部分は自伝的要素つまり自己語りに基づいた内容です。しかし、だからといって、レチフが書いたことがすべて真実というわけではありません。自己語りには必ず嘘が含まれるものだからです。
 人は自分のことを語るときに喜びを見出しますが、しかし、すべて真実を語る人はいません。語るという幸福とは何か、そのような語りの特徴は何か、ということを私は研究しています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 略歴
    東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了(文学)。クレルモン=フェラン第二大学Master 2課程修了(LITTÉRATURES, IDÉES, POÉTIQUES)。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了(文学)。日本学術振興会特別研究員を経て現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    十八世紀フランス文学・思想。レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ。文学における幸福観念。自伝。物語論。
    研究課題
    文学創造と幸福、「自己語り」の幸福、自伝の語りにおける「私」の多層性
    研究キーワード
    十八世紀、フランス文学、幸福、自伝、一人称の語り、レチフ。
    所属学会
    日本フランス語フランス文学会、日本フランス語教育学会、東北大学フランス語フランス文学会、『百科全書』・啓蒙研究会、日本18世紀学会、総合社会科学会、Société de Rétif de La Bretonne
  • 主要著書
    (共著)『近代フランス小説の誕生』(水声社)
    主要論文
    ・「レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』における語りの不均質性について」,『フランス文学研究』(東北大学フランス語フランス文学会),第38号,2018年3月,pp. 10-22.
    ・「レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける快楽主義と幸福主義の変遷―『ムッシュー・ニコラ』,初期作品,『奇論集』の分析―」,『フランス文学研究』(東北大学フランス語フランス文学会),第37号,2017年3月,pp. 27-37.
    ・「L’évolution de l’imaginaire de Rétif de La Bretonne de Monsieur Nicolas aux Revies」, 『フランス文学研究』(東北大学フランス語フランス文学会),第36号,2016年3月,pp. 15-26.
    ・「Le Pornographe et l’évolution des premières œuvres (1767-1769) de Rétif de La Bretonne」,『文化』,第78巻,第3/4号(東北大学文学会),2015年3月, pp. 109-121.
    ・「幸福の探求者サド―『美徳の不運』を手がかりに―」,『ユリイカ』,2014年9月号,第46巻,第12号,青土社,2014年8月,pp. 201-208.
    受賞
    東北大学総長賞(博士)