教員のよこがお

助手 山田 今日子 YAMADA Kyoko

所属

じっくり作品を見ること

 私が研究している17世紀オランダの絵画には、日常の穏やかな風景を何気なく切り取ったような作品がたくさんあります。実際にオランダの街を歩いてみると、今なおありし日の姿を留める風景も少なくありません。しかし、作品をよくよく眺めると、実は不自然で、丹念に作り込まれた画面構成に気付きます。一見すると道徳的な暮らしぶりを描いた作品でも、表向きのすました顔をはぎ取ってしまう仕掛けが画中に潜んでいたりするのです。また、作品の生まれた地に出向いて絵の前に立ってみると、机上で見ていたのとはガラリと異なる印象を受けることもしばしばです。作品にじっくりと向き合う度、いい意味で裏切られ、新たな発見があります。
 オランダの作品に限らず、同時代に残された言説と美術作品を並べると、記された言葉の枠に収まらないイメージの複雑さに狼狽え、やきもきすることがあります。しかし同時に、言葉を超えたイメージならではの面白さと予想以上の雄弁さにも驚かされます。こうした裏切りや驚きの連続が、研究の大きな魅力の一つだと思います。

  • 研究・略歴
  • 略歴
    北海道大学大学院文学研究科修了(芸術学講座)。東北大学大学院文学研究科博士後期3年の課程編入学(美学・西洋美術史研究室)。日本学術振興会特別研究員、仙台市博物館学芸企画室(非常勤嘱託職員)を経て現職。
    学位
    修士(文学)
    研究分野
    17世紀オランダ美術
    研究課題
    レンブラントを中心としたオランダ版画市場に関する研究
    17世紀オランダ美術に見られる東洋の影響に関する研究
    17世紀オランダにおける寡婦肖像画の研究
    研究キーワード
    17世紀オランダ美術、版画、美術市場、肖像画、女性表象
    所属学会等
    美術史学会、美学会、北海道藝術学会