教員のよこがお

准教授 田代 志門 TASHIRO Shimon

所属

  • 大学院文学研究科・文学部
  • 総合人間学専攻
  • 社会人間学講座
  • 社会学分野

専門家になりきれない
人のために

とかく専門家の時代である。けれど何かを選んで深く追求することは、何かをあきらめることのように思え、なかなか選びきれない。いまだ世の中には、それと名づけられていない問題があるように感じる。専門と専門のあいだで取り残されていることが気になって仕方がない。少々粗っぽくてもいいから、この世界全体をつかんでみたい。
社会学はそんな人のためにある。

「人のからだを使って実験することはどうして許されるのか」という問いと「人が死を受けとめる際にどんな考え方が役に立つのか」という問いを考えてきました。どちらもよくあるテーマではないため、なぜそれが大事な問題なのか、たびたび説明する必要がありました。方法も手探りで、丸腰の「素人」が専門家のあいだにポツンと一人でいるような心細さを感じたこともあります。でも、知りたいことを心ゆくまで探求できたし、どうにかこうにか考えたことを言葉にしてきました。

好奇心にまかせて荒野を歩むにはそれ相応の苦労がありますが、それを厭わない人には、「社会学という自由」を存分に利用してほしいと願っています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    社会学概論
    社会学各論
    社会学演習
    略歴
    東北大学文学部卒業後、同大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員、東京大学特任助教、昭和大学講師、国立がん研究センター生命倫理部長を経て現職。
    学位
    学位 博士(文学)
    研究分野
    医療社会学、生命倫理学
    研究課題
    生命科学・医学研究の規制と倫理
    終末期医療と現代人の死生観
    研究キーワード
    終末期医療、死生観、病いの経験、質的研究、ライフストーリー、研究倫理、臨床試験、被験者保護、倫理委員会、臨床倫理
    所属学会等
    日本社会学会
    東北社会学会
    日本保健医療社会学会
    日本生命倫理学会
    日本医学哲学倫理学会
  • 主要著書
    『研究倫理とは何か—臨床医学研究と生命倫理』(勁草書房,2011年)
    『死にゆく過程を生きる—終末期がん患者の経験の社会学(世界思想社,2016年)
    主要論文
    「倫理審査委員会の役割を再考する—被験者保護から社会的信頼へ」(『法哲学年報(2017)』2018年)
    「社会調査の「利益」とは何か—山口一男の問題提起をめぐって」(『社会学研究』93号,2014年)
    「未決の問いとしてのがん告知—その後を生きる患者の語りから」(三井さよ・鈴木智之編著『ケアのリアリティ—境界を問いなおす』法政大学出版局,2012年)
    "Unintended Consequences of 'Soft' Regulations: The Social Control of Human Biomedical Research in Japan, "International Journal of Japanese Sociology, 19, 2010.
    「死の臨床における世代継承性の問題—ある在宅がん患者のライフストーリー」(桜井厚・山田富秋・藤井泰編『過去を忘れない—語り継ぐ経験の社会学』せりか書房,2008年)
    受賞
    第9回 日本医学哲学・倫理学会 学会賞
    第5回 社会調査協会賞(『社会と調査』賞)