教員のよこがお

助教 佐﨑 愛 SAZAKI Ai

所属

  • 大学院文学研究科・文学部
  • 総合人間学専攻
  • 社会人間学講座
  • 行動科学分野

「他者」や「社会」の
あり方を知る

 日本のキリスト教はおもしろい。日本にはキリスト教由来の文化(クリスマス、バレンタイン…)が多く根付いています。しかし、一方で日本のクリスチャンは日本の総人口の約1%程度です。そんな彼らの信仰生活をのぞいてみると、そこにはキリスト教と日本文化の相互作用の結果が見られます。例えばクリスチャンとしての先祖への祈りや仏壇に似た家庭の祭壇などです。このように二つ以上の宗教や文化が接触する時、人はどのように異なる考えを受け入れ、あるいは拒絶し、また相互に交渉するのでしょうか。この問題意識の根底には、自分とは異なるものの見方をする「他者」を知りたいという考えがあります。
上記のような問題意識から、私はこれまでフィールドワークや質的調査を中心に行ってきましたが、縁あって行動科学研究室にお世話になることとなりました。行動科学研究室では、統計を用いてマクロな視点から社会のメカニズムを明らかにすることを目指しますが、質的調査も統計的調査も、どちらもその目的は、私たちの隣にいる「他者」や、他者や自分の住む「社会」を知ることに繋がると考えています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 略歴
    北海学園大学人文学部日本文化学科卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程前期2年の課程および後期3年の課程修了。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    宗教学、宗教民俗学、宗教人類学
    研究課題
    日本ハリストス正教会の死者儀礼、日本のキリスト教受容、現代の宗教文化の変容
    研究キーワード
    死者儀礼の現代的変容、日本ハリストス正教会
    所属学会等
    日本宗教学会、日本民俗学会、印度学宗教学会
  • 主要著書
    (事典項目)「7-3 近現代日本の正教会」キリスト教文化事典編集委員会編『キリスト教文化事典』(丸善出版、刊行予定)
    主要論文
    「日本ハリストス正教会の〈死者の記憶〉」『論集』46号、印度学宗教学会、2019年12月.
    「家庭祭壇に置かれる「モノ」の物質性―日本の正教徒宅にある家庭祭壇の比較を通して―」『東北宗教学』第15号、東北大学大学院文学研究科宗教学研究室、2019年12月.
    「死者の弔いをめぐる司祭と信徒のまなざし―中新田ハリストス正教会の「木製十字架」の事例を通して―」『東北民俗』第52号、東北民俗の会、2018年6月
    「「月例パニヒダ」から見る日本のハリストス正教会の受容と現状」『東北宗教学』第13号、東北大学大学院文学研究科宗教学研究室、2017年12月