教員のよこがお

教授 島 越郎 SHIMA Etsuro

所属

  • 大学院文学研究科・文学部
  • 広域文化学専攻
  • 西洋文化学講座
  • 英語学分野

音には聞こえない、
目には見えない表現

ヒトが使う言葉は音声形式とそれが表す意味から成り立っており、両者はある決まった「ルール」により結びつけられています。しかし、言葉には音として現れない表現もあります。例えば、下線部において動詞句defend himselfが省略されている次の2つの文を見てみましょう。
(1) John defended himself better than Bill did __ .
(2) John defended himself well, and Bill did __ too.
これらの文では省略されている要素が同じですが、省略が従属接続詞better thanの後に生起するか等位接続詞andの後に生起するかにより意味解釈が異なります。 (1)の省略文は「ビルが自分自身を擁護した」という解釈に加えて、「ビルがジョンを擁護した」と解釈されます。他方、(2)の省略文は「ビルが自分自身を擁護した」としか解釈されません。従属節と等位節に見られるこの様な違いは、発音されない要素も何らかのルールに従っていることを示唆しています。どの様なルールなのでしょうか?発音される要素に課せられるルールとどの様に違うのでしょうか?このような音には聞こえない、目には見えない表現の特質を明らかにすることにより言葉の本質に迫ろうと考えています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    英語学概論、英語学講読、英語学演習、英語学各論、英語学特論(大学院)等
    略歴
    東北大学文学部卒業。東北大学大学院文学科博士課程後期3年の課程修了
    山口大学人文学部助教授、コーネル大学言語学科客員研究員を経て、現職
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    統語論、意味論
    研究課題
    発音されない主語の特性
    研究キーワード
    理論言語学、生成文法、移動現象、時制現象、省略現象
    所属学会等
    日本英語学会
    日本英文学会
    研究者紹介DB
    https://www.r-info.tohoku.ac.jp/ja/ab2b3c461fdb7fcd37c0f7ab3c0f49d6.html
  • 主要著書
    『省略現象と言語理論』(開拓社)
    主要論文
    1)「コントロールのコピー形成分析とその問題点」
     『東北大学文学研究科研究年報』第75号, pp.75-105, 2026年3月
    2)「コントロールにおける一致現象」
     『東北大学文学研究科研究年報』第74号, pp.51-78, 2025年3月
    3)「付加詞コントロールの構造と解釈」
     『東北大学文学研究科研究年報』第73号, pp.31-63, 2024年3月
    4)「動詞派生名詞と動名詞における発音されない主語の解釈」
     『東北大学文学研究科研究年報』第72号, pp.1-26, 2023年3月
    5)「発音されない動作主の解釈」
     『ことばの様相:現在と未来をつなぐ』pp.238-248, 2022年3月
    受賞
    日本英語学会新人賞佳作(2005年)
    第50回市河賞(2016年)