教員のよこがお

助教 包 双月 BAO Shuangyue

所属

ステレオタイプの見直し

日本へ留学した当初、「何人ですか?」と聞かれることが多かったです。「モンゴル人です」と答えると、「ウランバートル、遊牧」という話題につながる場合がほとんどでした。私はモンゴル人ですが、遊牧地域ではなく、定住/農耕化した地域出身です。こうした他者からのステレオタイプと現実のジレンマを学術的に明らかにしようと思い、文化人類学を専攻した。

人類学とは、遠くの異国へ、異文化の世界に足を運び、現地の人々と共に暮らし、異文化を肌で学び、自文化を問い直す学問である。もちろん、異文化から自文化という遠回りではなく、自文化を見直す「ネイティヴ人類学」という学問的展開もあります。

私は、自分にとっての異文化の日本に暮らし、学びながら、自文化を再考し、見直す試みを続けてきた。そして、「モンゴル人は遊牧民」、「日本食は生魚(寿司or刺身)」といったステレオタイプの再考に挑戦し、現実と想像のジレンマを文化人類学的思考から見直していきます。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 略歴
    2010年内モンゴル師範大学モンゴル学部卒、2016年千葉大学人文社会科学研究科修士課程修了、2021年(9月)東北大学博士課程修了、東北大学大学院専門研究員を経て、2022年より現職
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    文化人類学、モンゴル研究
    研究課題
    遊牧、牧畜、定住と農耕化
    所属学会等
    日本文化人類学会、日本モンゴル学会
  • 主要著書
    共著『中国の国内移動―内なる他者との邂逅』(川口幸大・堀江未央編、京都大学学術出版会、2020年)
    主要論文
    2017「内モンゴル東部地域における屠畜の多様性―内モンゴル・通遼市・ホルチン左翼中旗を事例として」『東北人類学論壇』第16号
    受賞
    2018年度 東北大学外国人留学生総長特別奨学生を受賞
    2020年度 東北大学藤野先生記念奨励賞を受賞