教員のよこがお

助教 陳 穎 Chen Ying

所属

  • 大学院文学研究科・文学部
  • 広域文化学専攻
  • 東洋文化学講座
  • 東洋史分野

歴史の探偵:漢文史料で糸口を見つける

14-17世紀の中国における明王朝の官僚制度に関する研究をしてきた。「中国人でありながら、中国の歴史を研究するために、なぜわざわざ日本に来ているのですか。」という質問は、今でもしばしば聞かれている。その答えは簡単に説明することが難しいが、一言でまとめるなら、それは研究方法である。
歴史、特に中国史の研究と言えば、漢文史料を正確に解読することが欠かせない作業である。一次史料の一文字一文字の意味を丁寧に解読し、世界中の史料館に保存されている史料を自分の手で触れたり読んだりする作業を通して、当時の社会を再現することは、ミステリー小説の探偵が現場を調査し手がかりを収集する作業に似ており、私にとっては非常に楽しいと思う。勿論、このような作業は容易で簡単なことではないが、一つ一つの小山(困難)を乗り越えれば真実にたどり着ける。そう思いながら、楽しくやってきた。自分が東北大学の東洋史研究室にきた当初、教授方々、そして、先輩方々に、史料の読み方を教われた時に、このような研究方法に一目惚れして、研究に没頭すると、あっという間に今になった。
漢文史料やミステリーが好きな皆さんと一緒に歴史の世界で冒険しよう。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 略歴
    中国天津の出身。南開大学外国語学院卒業。東北大学文学研究科博士前期課程修了。同大学院博士後期課程満期退学。東北大学文学研究科研究助手を経て現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    中国明代官僚制度
    研究課題
    中国明代の官僚制度
    研究キーワード
    中国近世史 
    官僚制度
    所属学会等
    中国文史哲研究会
  • 主要論文
    ・明代前中期の朝覲考察の変遷について――地方官への人事評価を中心として――(『歴史』138、2022)
    ・明代の考察制度について――在京四品以上の大臣の自陳致仕を中心として――(『集刊東洋学』117、2017)