教員のよこがお

准教授 赤井 紀美 AKAI Kimi

所属

文学×演劇

 文学と演劇というふたつの領域を横断する研究を行っています。
具体的には、近代において歌舞伎から派生して誕生した新派とよばれる演劇ジャンルにおける文学作品の劇化について、アダプテーション、メディアミックスという視点から研究しています。併せて、幕末から近現代における歌舞伎をはじめとする商業演劇全般についても研究しています。
 日本では、古くからもとにあるコンテンツを別のジャンルや文脈へと移しかえるような、現在ではアダプテーションといわれる創作手法が常道的に行われていました。江戸時代にはメディアミックスが恒常的に行われ、近代に入るとメディアの拡充とともにジャンルを超えた再創造がさらに盛り上がりをみせます。過去と現在の想像力が響き合うことで新たな作品が創造され、それを多くの人々が受容しました。
 こうした、大衆的な文化の歴史は、現代の文化と連続性を持っています。今も昔も変わらない、普遍的な人々の営みに寄り添い、明らかにすることを目指しています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    現代日本学概論、現代日本学特論、現代日本学演習、現代日本学総合演習
    略歴
    1983年生まれ。日本女子大学文学部卒業。同文学研究科博士課程前期終了。学習院大学人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助教を経て2024年4月から現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    日本演劇・芸能、日本文学
    研究課題
    文学と演劇の領域横断的研究、幕末から近現代における商業演劇に関する研究、歌舞伎・新派からみる新劇の研究
    研究キーワード
    メディアミックス、アダプテーション、大衆文化、文学作品の演劇化、歌舞伎、新派、新劇
    所属学会等
    歌舞伎学会、楽劇学会、日本演劇学会、芸能史研究会、日本近代文学会、昭和文学会、日本文学協会
  • 主要著書
    編著『没後130年河竹黙阿弥―江戸から東京へ―』(早稲田大学 坪内博士記念演劇博物館、2023年)
    主要論文
    「単眼の世界から複眼の世界へ―宮本研による『雪国』の舞台化」(仁平政人・原善編『〈転生〉する川端康成Ⅱアダプテーションの諸相』(文学通信、2024年)
    「新派における川端康成『雪国』の劇化について」(『川端文学への視界』、2023年)
    「伊井蓉峰による森鷗外『玉篋両浦嶼』の上演―近松研究劇を補助線として」(『楽劇学』、2023年)
    「岸田國士『由利旗江』の劇化について—昭和初期新聞小説と新派における女性表象」(『演劇博物館紀要 演劇研究』、2023年)
    「文芸復興と演劇・映画の交錯―コンテンツ化する文学」(『近代文学合同研究会論集』、2022年)
    報道
    赤井紀美・児玉竜一「推し活は600年以上前からあった!」(『週刊文春 WOMAN』、2023年)
    赤井紀美・児玉竜一「推し活、その熱い歴史」(『美しいキモノ』、2023年)
    TBSラジオ「アフター6ジャンクション」「カルチャートーク:早稲田大学演劇博物館「推し活!展―エンパクコレクションからみる推し文化」」(2023年5月31日)、「日本のメディアミックスの歴史 特集!第一弾 歌舞伎編」(2023年6月14日)