教員のよこがお

准教授 新居 洋子 NII Yoko

所属

本物の空間で本物に触れる

中国と西洋の文化が交わるところを研究しているので、史料調査も半分は中国大陸や台湾、もう半分はフランスやイギリスで行ってきました。というと世界のあちこちに行けて楽しそうと思われるかもしれませんが、実際は一日中、図書館の机で黙々と史料を書き写しているだけなので、それほど華々しいものではありません。花の都といわれるパリでも、朝から夕方まで昼食もとらずに図書館に缶詰になるので、帰る頃には美術館も博物館も行く気力は残っていません。外食も気軽にはできないので、スーパーでパンとチーズと、洗うだけで食べられるトマトやベビーリーフ、あとアンズやリンゴを買って、ホテルでTVを観ながら齧るという毎日です。でも、昨夜と同じメニューの朝ごはんを食べ、痛む眼と腰をなだめつつ、あの歴史的建造物でもある美しい木の図書館で、300年前の手書きの文字で書かれた革張りの本に触れていると、ふと言葉にはならない喜びがこみ上げてきます。本物の空間で本物に触れること。これに勝る贅沢は無いような気がします。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    中国思想基礎講読、中国思想各論、中国思想特論
    略歴
    国立音楽大学音楽学部を卒業、桜美林大学大学院および東京大学大学院にて修士課程を修了後、東京大学大学院博士課程を修了。博士(文学)。
    東京大学東洋文化研究所特任助教、日本学術振興会特別研究員PD、大東文化大学文学部歴史文化学科准教授などを経て、2026年4月より現職。
    2007~2009年に中国政府奨学金を得て、中国人民大学清史研究所の高級進修生として留学。2014年4月から12月まで台湾中央研究院歴史語言研究所の訪問学人として在外研究。
    研究分野
    思想史
    研究課題
    中国と西洋の思想交流、翻訳の思想史
    研究キーワード
    宣教師、近世~近代中国思想、シノロジー、国際漢学
    所属学会等
    中国社会文化学会、史学会、東方学会、洋学史学会、歴史学研究会、東北中国学会
    研究者紹介DB
    https://www.r-info.tohoku.ac.jp/ja/6ec3164a4764ab0672e48f07cef5f603.html
  • 主要著書
    (単著)『イエズス会士と普遍の帝国―在華宣教師による文明の翻訳―』名古屋大学出版会、2017年。
    (共著)Europe and China : science and the arts in the 17th and 18th centuries, World Scientific, 2012.
    (共著)『宣教と適応―グローバル・ミッションの近世―』名古屋大学出版会、2020年。
    (共著)『世界哲学史』第5巻、筑摩書房、2020年。
    (共著)『近代日本と西洋音楽理論――グローバルな理論史に向けて』音楽之友社、2025年。
    (共著)『フランス・アカデミーの時代』名古屋大学出版会、2026年。
    主要論文
    「明清時期漢文西學書在明治日本的流傳」、『西學東漸研究』 第11輯、2022年。
    受賞
    第34回東方学会賞
    第35回渋沢・クローデル賞本賞
    第40回サントリー学芸賞
    報道
    「くにたちで知った音楽学の面白さが今の研究の原点となっています」、『くにおんぴーぷる』2019年9月。
    「宣教師の熱い思い 10年追う」、『読売新聞』2018年8月7日。