教員のよこがお

准教授 大島 幸代 OSHIMA Sachiyo

所属

この形、色、素材を
人はどうして選ぶのだろう?

 時間ができれば絵を描いていた子供のころから、美術の作り手になる未来しか考えていませんでしたが、美術大学に入り、専門的にモノをつくることを学び始めた時、これまでに人間が造り出してきた美術作品一つ一つの形や色、素材のルーツが気になって仕方なくなりました。それを追求する学問として「美術史」があることを知って転学してからは、その魅力にとりつかれました。博物館の学芸員として収蔵品の管理や展覧会の企画をする過程で、文化財修理や科学分析という美術作品へのアプローチ方法を学ぶ機会も得て、それぞれの専門領域を超えて手を取り、たった一つの作品について論じ合う至福の現場をいくつも経験し、さらにのめり込みました。
 最近は、仏像彫刻や仏画を素材に、日本と中国の間で主題や図像、素材や技法がどのように共有され、伝播し、それぞれの地域の固有性が生み出されるのか、そのプロセスを追っています。思えば美術の作り手を目指していた時に抱いた「この形、色、素材をどうして私は選ぶんだろう?」という自己への問いかけから、知りたいことは何も変わっていないのかもしれません。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    東洋・日本美術史概論、東洋・日本美術史各論
    略歴
    2013年早稲田大学大学院文学研究科人文科学専攻博士課程(後期)単位収得退学。
    2010年から早稲田大学會津八一記念博物館、龍谷大学龍谷ミュージアム、公益財団法人香雪美術館(中之島香雪美術館)にて博物館学芸員としての勤務を経て、2023年から大正大学文学部歴史学科専任講師、2026年から現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    東アジア仏教美術史
    研究課題
    中国・日本間の仏教美術における主題・図像・材質・技法の伝播について
    研究キーワード
    石窟美術、護法神、宋元仏画、宋風仏像と仏画
    所属学会等
    美術史学会、密教図像学会
    研究者紹介DB
    https://www.r-info.tohoku.ac.jp/ja/81a0b8fabfe6a1e6da2ec44a095595e4.html
  • 主要論文
    大島幸代「笈を背負う行脚僧像―玄奘イメージをめぐる一考察」肥田路美先生古稀記念論文集刊行会編『論集東洋美術跋渉』中央公論美術出版、2026年、213-227頁
    大島幸代・郷司泰仁「陸信忠再考―新出の「阿弥陀三尊像」を手がかりに―」『鹿島美術研究』年報第41号別冊、2024年、152-162頁
    大島幸代「迦毘羅神考―霊泉寺大住聖窟における造像を中心に―」肥田路美責任編集『アジア仏教美術論集 東アジアⅡ 隋・唐』中央公論美術出版、2019年、133-162頁
    大島幸代「退敵の毘沙門天と土地の霊験説話―唐末五代期の毘沙門天像の位置づけをめぐって」新川登亀男編『仏教文明と世俗秩序 国家・社会・聖地の形成』勉誠出版、2015年、293-326頁