教員のよこがお

教授 横溝 博 YOKOMIZO Hiroshi

所属

物語の数だけ
王朝世界がある

日本の王朝時代、とくに平安時代はじつに不思議な時代です。貴族たちが衣冠束帯や十二単を身にまとった姿で、活躍していたことは当たり前のように知られていますが、さて、実際にどのような宮廷生活を営んでいたのか、生活感覚のようなものを、リアルに想像しようとすると難しいものがあります。当時のことが分かってくればくるほど、分からないことの数も増えていきます。そこが日本の王朝時代を考えるとき、摩訶不思議な魅力ともなっているのです。
とりわけ『源氏物語』のような王朝物語は、当時の通俗小説であったはずですが、現代の小説とは異なり、どの作品も舞台設定を現在(もしくは実在の王朝)とせずに、作品固有の王朝世界を独自に作り上げているところが興味深い点です。いわば作品の数だけ王朝世界が形作られているわけですが、王朝世界を作品内部に仮構することで何を表現しようとしているのか、物語作家が作品に込めたメッセージを探り当てる試みを続けています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    国文学各論
    国文学演習
    略歴
    早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。同大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。信州大学助手、早稲田大学助手、日本学術振興会特別研究員(PD)、秀明大学講師を経て現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    日本古典文学
    研究課題
    王朝文学の研究
    中世王朝物語の研究
    研究キーワード
    王朝物語、日記文学、古注釈
    所属学会
    中古文学会
    中世文学会
    研究者紹介DB
    http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/3665872d353bf20ae9adab505b864806.html
  • 主要著書
    『平安文学の古注釈と受容』
    主要論文
    「『夜の寝覚』の引歌表現「思ふもものの心地」をめぐって─『源氏物語』葵巻の六条御息所との関わりから─」(和田律子・久下裕利編『考えるシリーズⅡ 知の挑発③ 平安後期 頼通文化世界を考える─成熟の行方』(武蔵野書院、2016年)

    「後期物語から見る物語史─『源氏物語』の複合的引用と多重化する物語取り─」(助川幸逸郞他編『新時代への源氏学8〈物語史形成の力学〉』竹林舎、2016年)

    「『山路の露』の浮舟と和歌─“手習の君”の継承をめぐって─」(『国文学研究』第177集、2015年10月)