教員のよこがお

准教授 木山 幸子 KIYAMA Sachiko

所属

  • 大学院文学研究科・文学部
  • 総合人間学専攻
  • 心理言語人間学講座
  • 言語学分野

ことばの運用の個人差を
測る実験研究

大学時代、道行く人々の様子を眺めるのがおもしろく、交通量調査のアルバイトをしました。東京神田のビジネス街で計測したある土曜日、あまりの寒さに耐えかねて近くの電話ボックスに飛び込みました。ところがその日に限って計測器を忘れてきてしまい、仕方なく紙に「正」の字を書いて数えることにしました。電話機の下に電話帳を置く台があり、折りたたみ椅子に座るとそれがちょうどよい机になりました。でも、電話ボックスに折りたたみ椅子を持ち込みコーヒーで暖をとりながらペンを構える姿は、交通量調査をしているようには見えなかったでしょう。背後からは時々通りかかる人の笑い声が聞こえ、電話ボックスを使いに来た人からは「ここで勉強してるの?」と不審がられ、変人に向けられる視線の痛みを知りました。
 神田の電話ボックスで一皮むけた私はいま、人間がことばを発したり理解したりする過程を捉える実験研究を行っています。データ収集にあちこち出かけ、たいへんな思いをすることもあります。それを支える原動力は、昔道端で眺めた「人みな同じ」ではないことへの興味に通じているかもしれません。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    語用論研究法入門、言語調査・実験法実践、言語データ分析法
    略歴
    早稲田大学第一文学部卒業、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了、麗澤大学大学院言語教育研究科博士後期課程修了。名古屋大学大学院国際言語文化研究科研究員、国立長寿医療研究センター研究員、三重大学教養教育機構特任講師を経て現職。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    実験語用論
    研究課題
    語用論的言語処理の加齢変化
    フィールド認知神経言語学
    研究キーワード
    対人的文末モダリティ、対人距離の調整、脳機能、加齢変化
    所属学会
    日本言語学会、日本語用論学会、言語科学会
  • 主要著書
    木山幸子 (2016). 「語用論調査法」加藤重広・滝浦真人編『語用論研究法ガイドブック(pp. 261-282)』東京: ひつじ書房.
    主要論文
    1) Kiyama, S., Takatori, Y., Lim, H., & Tamaoka, K. (2016). From universal perceptions to diverging behaviors: An exploratory comparison of responses to unreasonable accusations among the United States, Japan and South Korea. International Journal of Linguistics and Communication, 4, 19-33.
    2) Kiyama, S., Kunimi, M., Iidaka, T., & Nakai, T. (2014). Distant functional connectivity during bimanual finger movements declines with aging: An fMRI and SEM exploration. Frontiers in Human Neuroscience, 8: 251.
    3) Kiyama, S., Tamaoka, K., Kim, J., & Koizumi, M. (2013). Effect of animacy on word order processing in Kaqchikel Maya. Open Journal of Modern Linguistics, 3, 203-207.
    4) 木山幸子・玉岡賀津雄 (2011). 「自他両用の「-化する」における自動詞用法と他動詞用法の比較: 新聞コーパスの用例に基づく多変量解析」『言語研究』139, 29-56.
    受賞
    日本言語学会第144回大会発表賞