教員のよこがお

教授 大木 一夫 ŌKI Kazuo

所属

古くて新しい
古代日本語文法の世界

国語の時間、なかでも古典の時間といえば、古典文法を思いだす方も多いでしょう。「係り結び」とか「過去の助動詞キ・ケリ」とかいった、あれです。そういう文法は古典の時間に教わるくらいなのだから、もう何でもわかっていると思われるかもしれませんが、実はそうではありません。たとえば、「係り結び」とは何かということにも、現在、さまざまな見方があります。もちろん「係助詞ゾがあれば、文末は連体形になる」というようなことは揺るがないのですが、それでは「係り結び」とはどんなはたらきをするのかということになると、いくつもの考えがあるのです。古典の時間では「強調」などと教わったと思いますが、では、「強調」というのは何をどのように強めているのでしょうか。あるいは、そもそも「強調」なんかではないという見方さえあります。このように古典文法(古代日本語の文法)は、古くからの問題であると同時に、今、新しい見方が生まれるような新しい問題でもあるのです。そのような古代日本語文法の諸問題を、現代日本語の文法と対照しながら、日々研究しています。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    国語学概論、国語学各論、国語学講読など。
    略歴
    東北大学文学部文学科国語学専攻卒業、東北大学大学院文学研究科博士後期課程退学。東北大学文学部助手、埼玉大学教育学部助教授、東北大学大学院文学研究科准教授などを経て現職。専攻は、日本語の歴史・日本語文法史・日本語文法論・日本語学史。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    日本語学
    研究課題
    日本語文法史、日本語史、日本語文法論、日本語学史。
    所属学会等
    日本語学会、日本語文法学会、訓点語学会、日本歴史言語学会、日本言語学会。
    研究者紹介DB
    http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/57f64bbe805d544b219c2cd1f1b015cc.html
  • 主要著書
    『ガイドブック日本語史』(ひつじ書房2013)
    『文論序説』(ひつじ書房2017)
    『山田文法の現代的意義』(共編著、ひつじ書房2010)
    『日本語史叙述の方法』(共編著、ひつじ書房2016)
    主要論文
    「古代日本語動詞基本形の時間的意味」『国語と国文学』86–11(2009)
    「古代日本語動詞の活用体系―古代日本語動詞形態論・試論―」『東北大学文学研究科研究年報』59(2010)
    「不変化助動詞の本質、続貂」『国語国文』81–9(2012)
    「現代日本語動詞基本形の時間的意味」『東北大学文学研究科研究年報』64(2015)
    「言語史叙述の構造」大木一夫・多門靖容編『日本語史叙述の方法』ひつじ書房(2016)