教員のよこがお

教授 佐藤 弘夫 SATO Hiroo

所属

今世紀に入ってから、調査のためによく外を出歩くようになりました。 はじめは霊場めぐりでした。近年は世界各地の古いお墓を尋ねています。 友人や家族と旅行に出かけても、お墓ばかり見に行きたがるので嫌がられています。
それにしても、この列島にはなんとたくさんの墓石があることでしょうか。 五輪塔などを加えた石塔という範疇で考えたら、その数は驚くべき数字になります。 それぞれの石塔には、それを作った人々の心が込められています。 しかし、石塔はこれまでもっぱら歴史考古学の研究対象であり、そこに思想や世界観を読み取ろうとする試みは皆無でした。
石塔をはじめ、仏像や古文書など、従来の思想史研究で用いられなかった資料から、 それを制作した人々の思想を探り出そうというのが、いまの私の最大の関心事です。 そこに垣間見える庶民大衆の精神世界を背景として、親鸞や日蓮などのエリートの思想を読み直したとき、 どんな風景が見えてくるのでしょうか。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 略歴
    1953年、宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。博士(文学)。東北大学文学部助手、盛岡大学文学部助教授などを経て現職。神仏習合、鎌倉仏教、国家と宗教、死生観などをキーワードに日本の思想を研究。実証研究をベースにしながら、想像力を駆使して大きな精神史のストーリーを組み立てることを目指す。
    学位
    博士(文学)
    研究分野
    日本思想史
    研究キーワード
    ヒトガミ 幽霊 死生観 靖国神社 記憶
    所属学会
    日本思想史学会
    日本史研究会
    American Academy of Religion
    研究者紹介DB
    http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/2985fe037c84fef8ff68739828f803cd.html
  • 主要著書
    How like a God: Deification in Japanese Religion. International House of Japan, Tokyo(2016)
    『死者の花嫁』幻戯書房(2015)
    『鎌倉仏教』ちくま学芸文庫(2014)
    『日本思想史講座』(共編)全5巻、ぺりかん社(2012〜16)
    『岩波講座日本の思想』(共編)全8巻、岩波書店(2013〜14)
    『ヒトガミ信仰の系譜』岩田書院 (2012、韓国語版2016)。
    『日本中世の国家と仏教』歴史文化セレクション、吉川弘文館 (2010)
    『立正安国論 全訳注』講談社学術文庫(2008)
    『死者のゆくえ』岩田書院 (2008、韓国語版2011)。
    主要論文
    “Vengeful Spirits, Divine Punishment, and Natural Disaster: Catastrophe and Religion in Japan” Religious Studies in Japan, vol.3 (2016)
       (http://jpars.org/online/wp-content/uploads/2016/01/RSJ-vol.-3-SATO.pdf)
    「黒田俊雄—マルクス主義史学におけるカミの発見.」『戦後歴史学と日本仏教』法蔵館(2016)
    「彼岸から届く声—中世の危機意識と文学」『日本文学』65−7(2016)
    「ヤスクニの思想と記憶される死者の系」岩波『思想』2015年7月号(2015)
    「目に見えぬものたちと生きる」『哲学』66(2015)