教員のよこがお

教授 尾崎 彰宏 OZAKI Akihiro

所属

美との出会い、驚き、
それは旅することから

私が17世紀オランダの画家レンブラントの原作に初めて出会ったのは、1977年春のことでした。 専攻を美術史にしたものの何をやろうか決めかねていた私は、 ヨーロッパへ美術作品行脚の旅に出かけました。 そのとき強烈な印象を受けた画家の一人がレンブラントでした。 しかし、闇が大部分を占めるレンブラントの作品のどこにこれほど自分をとらえてはなさない力があるのか、 この闇はいった何をあらわしているのか? かいもく見当もつきませんでした。
 その謎をとく糸口のようなものが見えてきたのは、 最初にレンブラントの絵に接して10年以上も経ってからでした。 オランダへ留学し、ヴァチカンにあるミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の調査に加わり イタリア中を旅してまわった期間が挟まっていました。忘れもしません。 パリのルーヴル美術館でのことでした。神を自明のこととして前提にできる時代が崩れていくとき、 光ではなく闇によって存在を表現する芸術家があらわれたのではないか (異端の画家カラヴァッジョもその一人です)、「逆説の画家」そんな言葉が脳裏を過ぎりました。 目の前が明るくなった瞬間です。

  • 研究・略歴
  • 著書・論文等
  • 主要担当科目
    美学・西洋美術史研究実習I、美学・西洋美術史特論I、美学・西洋美術史研究演習I
    略歴
    福井市生まれ。東北大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程後期退学、文学部助手、弘前大学教養部講師、助教授、人文学部教授を経て現職。
    学位
    文学修士
    研究分野
    芸術理論、「日本学」、西洋美術史
    研究課題
    自分の専門領域から現代の課題にどのように向きあい、人文科学が社会にどのような貢献ができるのかを課題としている。
    研究キーワード
    「日本学」、感性学、ネーデルラント、オランダ絵画史、東西交流史、世界美術史
    所属学会等
    美術史学会、美学会、Historians of netherlandish art
    研究者紹介DB
    http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/50eb5649ddf6bd96930cfca1f2e7d721.html
  • 主要著書
    『レンブラント工房』(講談社選書メチエ)『レンブラントのコレクション』(三元社)『フェルメール』(小学館)『ゴッホの挑んだ「魂の描き方」』(小学館)『カーレル・ファン・マンデル「北方画家列伝」注解』(共編訳書、中央公論美術出版)他
    主要論文
    1. Vermeer’s Love Letter and the East, in: How to Learn?: Nipponn/Japan as Object, Nippon/Japan as Method, Mimesis, Milano, 2017, pp.73-90.
    2. "Painted Image of Chinese Porcelain-Symbols of Holland as Seen in Still-Life Paintings", Art History (Dep. of Aesthetics and Art History, Tohoku Univ.) 34(2013), pp. 1-12.
    3. "The Artistic Challenges of Rembrandt as Painter-Printmaker", Rembrandt: The Quest for Chiaroscuro, Tokyo, 2012, pp.107-117.
    4. "Rembrandt's Nude: Study of Danaë", Rembrandt and Dutch History Painting in the 17th Century, The National Museum of Western Art, Tokyo, 2004, pp. 111-122.
    5. "Rembrandt and Melancholy--Transgressing between Allegory and Reality---", Rembrandt as Norm and Anti-Norm, Graduate School of Letters Kyoto University 2004, pp.61-92.
    受賞
    阿部次郎文化賞(2016年)