研究室紹介

日本学専攻 日本文学研究室 Japanese Literature

日本文芸の意義を
学術の見地から探求する。

国文学は、古代から現代に至る、きわめて幅広く多様な日本の文学(文芸)を研究の対象とします。国文学の研究にはさまざまな立場や方法がありますが、東北大学国文学研究室では、文芸が芸術の一種であるとの見地に立ち、日本文芸の様式・特質・展開を明らかにするとともに、その意義を世界文芸との関連において探求することをめざして、活発な研究と教育が行われています。
 本研究室には、多くの大学院生、留学生も在籍しており、新たな見方・考え方・知識を得る機会にも恵まれています。また、卒業生は約1,000人に及び、国内・海外の学界・教育界・図書館・ジャーナリズム・出版界・官公署・企業など多方面で活躍しており、卒業生と在校生から成る「東北大学国文学科杜の会」も組織されています。さまざまな人との貴重な出会いと交流の中、本研究室で着実に多彩に柔軟に国文学を学ぶことを通して、幅広い視野から新たな発想で文化・社会を深く理解する力を身につけることが期待されます。

先輩からのメッセージ

寒河江 志乃 SAGAE Shino

人文社会学科 3年
出身高校:山形県立山形東高等学校

お勧めしたい本:梶井基次郎「闇の絵巻」
その理由:「闇」の美しさとその描き方に心惹かれる小説です。「闇」が鋭敏かつ多彩な感覚でとらえられ、深い安らぎをも与えるものとして語られます。頻繁な改行を伴う描写は、まるで「開いては巻く」を繰り返して鑑賞する絵巻物のようです。

ここが面白い!
文学部

自分が「知りたい」と強く感じていることへの理解が深まっていくプロセスにたまらない喜びを覚えます。国文学研究でいうと、作品に対する「読み」が洗練されていくのを感じるとき、爽やかな高揚感に包まれます。作品を何度も何度も繰り返し味わい、自分なりのひとつの「読み」を言葉にして伝え、共有できたときや、仲間との議論で、自分では気がつかなかった視点や解釈に触れたとき、幸せな気持ちになります。時間にとらわれず、一日中作品を読み、考え耽ることができるのは、文学部、国文学研究に身を置く者にとって、この上ない魅力だと日々感じます。

文学部を目指す
皆さんへ

研究を楽しむ「素地」を作ることが何よりも大切だと思っています。研究に必要とされる基礎的なスキルを身につけることや、興味・関心を養うことです。狂言師が舞台を務めるために、まず、「型」を身につけることからはじめるように、国文学研究者なら、まず、作品を読み味わうスキル、先行研究を分析・考察するスキル、自分の考えを整理し、言葉で表現するスキルを身につけることなどは欠かせません。また、スキルの習得以上に、作品を読むということ自体を「楽しい」と感じられる気持ちこそが、研究を深める「原動力」であると思います。