研究室紹介

総合人間学専攻 哲学研究室 Philosophy

理論的思考で
「知を愛する」ことを
科学する。

哲学(philosophy)という言葉は「知を愛する」という意味のギリシア語に由来しています。「知を愛する」ことは、人を愛することと同じように、誰にでも開かれた普遍的な営みです。実際、プラトンもアリストテレスも、哲学は単純な「驚き」から始まると述べています。もちろん、ただ驚いているばかりでは哲学は始まりません。その不思議や謎を理論的に解きほぐし、物事の根本に遡って考え抜くことが要求されます。そのために必要なのは、ソクラテスが実践したように、筋の通った議論を最後まで続けることだけです。その意味で、哲学は知的好奇心と理論的探究心を持つ者なら誰でも参加できる、「知」のマラソン・レースだと言えるでしょう。
 私たちの研究室が主に扱うのはヨーロッパを中心とした西洋哲学であり、現在のスタッフの研究領域は、古代哲学、近現代哲学、科学哲学、生命環境倫理学と多岐にわたります。好奇心と持久力をそなえたみなさんが、観客ではなく競技者として私たちのレースに参加されることを期待してやみません。

先輩からのメッセージ

髙橋 望帆 TAKAHASHI Miho

人文社会学科 3年
出身高校:山形県立山形西高校

お勧めしたい本:ダニエル・キイス著、小尾芙佐訳『アルジャーノンに花束を』、早川書房
その理由:手術を受け天才となっていく主人公の苦悩や喜び、他の登場人物に対する疑念など様々な感情や考えの変化を、一貫して主人公の視点で追っていくという点が面白く、実際のこととして考えさせられるような問題も描かれていて、おすすめです。

ここが面白い!
文学部

東北大学文学部には25もの専修があり、さらに所属する専修以外の授業も受けられるので、幅広い知識を得ることができる点が素晴らしいと思います。また、それぞれの分野を比較して関係している点や異なる点に気づくなど、いろいろな授業を受ける中でも発見があって面白いと思います。私の専修である哲学について、私はじっくり考えることが好きなので、提起された問題についていかに筋の通った論理で答えられるか、反論に対しそれをどのように退けられるかなど、問題について深く考えるという点に面白さを感じています。

文学部を目指す
皆さんへ

大学では高校までとは違い自分でどの授業を受けるか選択でき、そしてより深く学べるので、自分の興味がある分野を詳しく知ることができる楽しさがあると思います。自分がどんなことを大学で学びたいか、明確な考えをまだ持っていない人もいると思いますが、具体的でなくとも「こんなことを知りたい」というものを持つことは、大学生活をより充実させてくれるし、大学受験の時のモチベーションにもなると思うので、本を読んだり調べたりして自分が興味のある分野を探してみると良いかもしれません。