研究室紹介

総合人間学専攻 心理学研究室 Psychology

さまざまな手法で
「心」の仕組みを
科学的に解明する。

心理学は心を科学する学問です。もしかしたら人の心が自在に読めるようになるという期待を持つ人がいるかもしれません。しかし実際はちょっと違います。心理学が目指すのは、心の仕組を明らかにすることです。このとき、沈思黙考して頭の中で結論を得るのではなく、データを集めて科学的な手続きによって明らかにしようとするのが心理学の方法論です。
 データの集め方は様々です。最先端の測定装置を用いて脳の活動を記録することもあれば、南米まで出かけて現地の人と触れ合いながら、その生活を記録することもあります。実験・調査・面接・観察…心理学専修では、講義で知識を学ぶだけではありません。実際の研究方法を「心理学基礎実験」「心理学研究法」というカリキュラムで、実習を通じて身につけてもらいます。具体的には、反応時間・フィールドワーク・ポリグラフ等々。おそらく初めて体験する現実の心理学に、新鮮な驚きと興味が湧くはずです。そして、これらのテクニックは卒業論文に結実し、皆さんの大学生活を締め括ってくれることでしょう。

先輩からのメッセージ

高橋 玲央 TAKAHASHI Reo

人文社会学科 4年
出身高校:静岡県立静岡高校

お勧めしたい本:『夜と霧 新版』V.E.フランクル(著)池田香代子(訳)みすず書房
その理由:著者は強制収容所に収監された体験を主観的に記していますが,冷静な観察により被収容者と監視者の心理を客観的に論じています。「まっただなか」にいながら一歩外の目線を持つ著者の才気がしのばれる名著です。

ここが面白い!
文学部

「心理学」と聞いたとき,おそらく多くの人が心理テストやカウンセリングを想像するでしょう。しかし,それは心理学の一側面にすぎません。大学の心理学では,人の感じ方,考え方,動き方などもっと幅広いテーマを扱います。さらに,その研究方法も観察から実験まで多岐にわたります。それゆえ,大学で初めて出会う心理学には,今までのイメージを覆すような新鮮な発見が満ち溢れていることでしょう。科学が進歩した現代でさえ,まだ見ることも触ることもできない「こころ」を研究してみませんか。

文学部を目指す
皆さんへ

心理学はその歴史の中で,より科学的であることを目指してきました。そのため,生物学など「理系」の知識を使うことができます。一方で,心理学は歴史上の悲劇的な事件や社会問題の中から大きな発見をしてきた学問でもあります。その意味で,「文系」の知識を使うこともできます。つまり,心理学には文系理系問わず広範な知識が役立ちます。心理学に興味を持たれた方には,様々な分野へ関心を持ち,幅広い知識を身につけることをお勧めします。