研究室紹介

実践宗教学寄附講座 Practical Religious Studies

「臨床宗教師」は
東北大学から生まれた

実践宗教学寄附講座は、東日本大震災をきっかけに、2012年度に設置されました。震災後、東北の被災地では、宗教者による支援活動が活発に行われましたが、そこで評価されたのは、行政、医療や福祉に関わる人々や全国から駆けつけたボランティアなど、さまざまな支援者の輪に加わって、被災者に寄り添おうとする宗教者の姿でした。
 必要とされる場面での祈りや読経、そして「傾聴」といった活動は、広い意味での「心のケア」に貢献するものであると考えられていますが、宗教者が公共空間でこのような活動をするときには、布教・伝道を目的としないこと、価値観の押し付けをしないことなどが必要となります。
 こうした必要最小限のマナーを身につけるとともに、ケアについて学んだ上で、被災地だけではなく、病院や福祉施設で活動する宗教者を、私たちは「臨床宗教師」と名づけました(臨床宗教師は、キリスト教圏のチャプレンに対応する相当する日本語です)。
 実践宗教学寄附講座では、2012年度以来、日本各地から集まった宗教者を対象に研修を行ない、2016年度までにのべ152名の臨床宗教師を輩出しました。多くの大学諸機関がこれに追随し、各地で心のケアに取り組む宗教者すなわち臨床宗教師の育成が進んでいます。
 学内に向けては、死生学、スピリチュアルケア、グリーフケア、宗教心理学、実践宗教学等の授業を開講しています。2017年度からは心のケアを志す宗教者以外の一般の人々にも開かれた履修証明プログラム(「臨床宗教教養講座」)も開始しています。