研究室紹介

総合人間学専攻 計算人文社会学研究室 Computational Humanities and Social Sciences

人文社会学のフロンティア

計算人文社会学は、人文学や社会学・行動科学の問いに対して、ビッグデータやデジタル実験から得られる新しいデータ、そして機械学習や自然言語処理、人工知能などの新しい計算的手法を使って、アタックする新しい学問分野です。例えば、「インターネット上では、なぜ皆の意見が対立しがちなのか?」という問いから、「近代化のプロセスで人々の刑罰についての考え方はどう変わってきたか」という問いまで、様々な人文社会科学上の問いを対象とします。こうした問いに答えるために大規模なテクストデータから人々の感情や考え方を抽出する自然言語処理の方法やつながりの隠れたパターンを見つけ出す機械学習、さらには因果関係を解明するデジタル実験の手法など、従来の社会科学で用いられなかった新しい方法を大胆に取り入れています。
 ビッグデータや人工知能についての知識や技術の必要性は、デジタル化の進む今日、ますます増えていくといわれています。しかし、それと同時に、そうした知識や技術を、社会の問題や人間に関する探求に役立てるためには、人文社会的なバックグラウンドが不可欠です。その意味で、文学研究科の中にあるこの計算人文社会学専攻分野は絶好の学びの場になると考えています。
 この新しい分野の発展に研究や実務の面で寄与してみたい、という方をぜひお待ちしております。

先輩からのメッセージ

呂沢宇 Lyu Zeyu

人文学研究科 博士課程 1年
出身高校:中国

お勧めしたい本:The Razor's Edge(剃刀の刃)/William Somerset Maugham/Vintage
その理由: 主人公は戦争で自分の命を救ってくれた戦友が自分の目の前で死ぬのを見て人生の意義に疑問をいだき、人生探求の旅に出る物語です。快適な生活を求めるか、人生の意義を求めるか、この本を読むと大いに啓発されるところがあります。

ここが面白い!
文学部

 文学研究科は既成の学問の枠組を越えて、分野横断研究の先端を切り開いています。いま所属している計算人文社会学専攻では、社会理論など「文系的な」知識だけでなく、統計や機械学習などの「理系的な」技術もたくさん身につけることができます。授業以外でも、国際会議や異分野交流のチャンスが数多くあり、異分野・異文化を体験する環境が提供されています。このような資源・チャンスを活用して幅広い知識を勉強することで、横断的な思考力と広い視野を養いながら、自ら新たな知見を探索することができる点が非常に魅力的だと思います。

文学部を目指す
皆さんへ

私は学部まで中国にいましたが、世界のどこでも共通している大事なことは努力の積み重ねです。個人的には、努力すれば報われると信じていますが、一方で「努力することよりも選択することの方が大切」という合理的な考え方も一理あるかもしれません。ただし、これは決して努力の必要性を否定しているということではなく、逆に、賢明な選択をすること自体が多くの努力が必要になると考えるべきでしょう。これからの人生で、大学入試や就職など選択しなければならないときもあると思います。そのような時に、日々の努力で自分の分析力や判断力を磨き、自分がなにを学びたいのか、なにを達成したいのかを明確に考えることによってこそ、自分に対して最適の道を選び、努力の価値を実現させることができると思います。