文学部の理念・目標

文学部の教育方針

教育理念

現代世界が直面する複雑で困難な諸課題は、科学技術のみで解決を図ることは難しく、何よりも人間性への深い洞察に根ざした人文社会科学的知見を必要としています。そうした社会的要請に応え、人間性に対する鋭敏な感受性と現実社会に対する透徹した認識とを基盤に、国際社会の発展に積極的に貢献しうる、知性と行動力をもった人材の養成を目指します。

ディプロマ・ポリシー

東北大学文学部では、次に掲げる目標を達成した学生に学士の学位を授与する。

  1. 人間とその言語や文化、社会や歴史に関する堅実な実証的知識および人間性への深い洞察に根ざした人文社会科学的知見を身につけている
  2. 専門分野の学問をとおして人間性に対する鋭敏な感受性と現実社会に対する透徹した認識を体得し、それを基盤として国際社会の発展に積極的に貢献しうる知性と行動力を備えている
  3. 自立的かつ批判的な人間理解を追求し、現代社会が直面する様々な課題に積極的に貢献しうる

カリキュラム・ポリシー

東北大学文学部では、ディプロマ・ポリシーで示した目標を学生が達成できるよう、以下の方針に基づき教育課程を編成・実施する。

  1. 1年次には全学教育科目における「基盤科目」「先進科目」「言語科目」等の基礎教養を中心に学び、大学における学修の基盤を形成する。同時に専門への導入として「基礎専門科目(入門)」を学ぶ。
  2. 2年次以降は26専修のいずれかに所属し、まず2年次に「概論」「基礎演習」「基礎実習」「基礎講読」等の「基礎専門科目」において多様な人間文化に関する基礎的知識を幅広く学習する。
  3. 3年次以降には「各論」「演習」「実習」「講読」等の専門教育科目において専門の学問分野を深く学ぶことによって、人文社会科学的方法を理解し身につける。
  4. 全学年を通じて全学教育科目および学部専門科目における外国語科目において、国際化する社会に対応できるよう、二つ以上の外国語を習得し実用的な国際的コミュニケーション能力を身につける。
  5. 学習成果の評価は、科目の特性に応じ筆記試験、レポート、口頭試験、演習・実習での習熟度等により厳正に行う。
  6. 卒業年次には卒業論文あるいは卒業研究の提出を求め、教員の指導のもと、自らの課題を発見し、その解決に取り組むことを可能とする普遍的で創造的な思考能力と表現能力を身につける学習を推進する。
  7. 以上の教育課程を通し、人文社会科学的な専門的知識をもつ社会人あるいは大学院生として果たすべき使命を自覚させ、学生の確かな将来展望を築く自律的学習力を育成する。

アドミッション・ポリシー

文学部各学年の学習目標

文学部では、このような理念に基づき,年次別に次のような学習目標を設定しています。

1年次の学習目標

  • 現代社会の様々な問題に対処するための、基礎的な人文社会科学と自然科学の教養を身につける(全学教育科目)
  • 文学部の学問について全体像を把握し、人文社会科学の問題意識,発想法・方法論の基礎を身につける(人文社会総論)
  • 文学部の専門の勉強のための英語読解力を身につける(英語原書講読入門)
  • 文学部の学問の入門的な知識,方法論を身につける(基礎専門科目入門)
  • 人文社会科学の学問に必要な日本語の表現力を身につける(基礎ゼミ,基礎専門科目入門など)
  • 人文社会科学の情報処理のための基礎を身につける(情報科目)
  • 国際化する社会に対応するため,最低2つの外国語の基礎的な学力を身につける(全学教育の語学科目)

2年次の学習目標

  • 現代社会の様々な問題に対処するための,基礎的な人文社会科学と自然科学の教養を身につける(全学教育科目)
  • 人文社会科学の個別の分野の基礎的な知識,方法論などを身につける(概論,基礎)
  • 国際化する社会に対応するため,最低2つの外国語について中級程度の力を身につける(全学教育と,文学部専門科目の外国語科目)
  • 人文社会科学的研究を行っていくための,専門的な文献読解力と,成果の発表の能力を身につける(基礎)

3年次の学習目標

  • 人文社会科学の専門的な知識を深め,方法に習熟する(各論,発展)
  • 卒業論文の作成,あるいは卒業研究を行っていくための,文献読解,資料収集,資料分析,成果の発表能力を発展させる(発展)
  • 国際人としての多様な外国語の力を発展させる(文学部専門科目の外国語科目)
  • 将来の職業への自覚を持つ豊かな人間性の形成(個別の進路指導など)

4年次の学習目標

  • 人文社会科学の専門的な知識を深め,方法論をさらに発展させる(各論,発展)
  • 卒業論文の作成,あるいは卒業研究を行っていくための,文献読解,資料収集,資料分析,成果の発表能力をさらに発展させる(発展,卒論・卒研の個別指導)
  • 国際人としての多様な外国語の力を発展させる(文学部専門科目の外国語科目)
  • 大学4年間の学習の成果として,卒業論文,卒業研究をまとめる
  • 将来の進路を決定し,人文社会科学的な専門的な知識をもつ社会人あるいは大学院学生として,自らの使命を自覚した人間の形成を目指す