東北大学フランス語学フランス文学研究室
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留学体験記

グルノーブル(博士課程)

私は2001年から2002年にかけて、フランス、グルノーブルのスタンダール(グルノーブル第III)大学に学び、DEA(DIPLOME D'ETUDES APPROFONDIES)、専門研究課程修了証を取得してきました。フランス留学について、特にDEA取得までの過程について、私の経験をもとに、簡単 に説明させていただきたいと思います。

【留学費用】
留学するにあたり、最初に考えなければならない のはその資金についてだと思います。私は宮城県仙台市の仙台南ロータリークラブからご推薦をいただき、国際 ロータリーの国際親善奨学生として、フランスに1年間留学することができました。東北大学フランス語フランス文学研究室からは、最近3年間に4名の大学院 生が、各の出身地区あるいは、宮城県のロータリークラブが毎年選抜する国際親善奨学生としてフランス留学をしています。他にも、フランス政府給費留学生と して、大学の交換留学生として、フランス企業の募集する奨学生として、留学費用の全てあるいは一部の給付を受けて留学する学生、院生が増えてきました。大 学の学費そのものは、大学によっても異なりますが、日本円でおおよそ年2万円前後ですから、どのような生活をするか、アパルトマンを探すか、学生寮に入る かといった選択で必要な経費は変わってきます。

【大学への登録】
登録する課程に よって、その手続きは異なります。ここではDEAについて説明させていただきたいと思います。フランスでは、大学を卒業した後、最低1年の 間に必要な単位を取得することにより修士論文を提出する資格を得ることができます。修士を取得していれば、次にDEAに進むことができます。DEAの取得 が、国家博士を取得するための博士論文提出の条件になります。DEAも修士と同様、最低1年の間に定められた単位を取得することにより、論文を提出する資 格を得ることができます。日本から留学生がDEAに登録するためには、フランスあるいは日本の大学ですでに修士号を取得していなければなりません。大学へ の受け入れの審査は指導教官が行います。したがって、まず指導教官を選び、それから、指導教官がいる大学への登録を申請するという手順になります。指導教 官は様々な資料にあたり、自分で選びます。私は研究誌に掲載された論文で感銘を受けた、サルトル研究者、Jean-Francois Louette氏に事前に修了証明を添えて、研究業績や研究計画を提出し、受け入れを許可していただきました。その後Louette先生はグルノーブル第 III大学からリヨン第II大学に移られましたが、グルノーブルからリヨンに通っていらっしゃった先生は相変わらずご指導くださり、論文の口頭試問の際に も審査官に加わってくださいました。大学研究センターでの直接の指導教官は私がサルトルの演劇作品を研究のテーマに選んでいたことから、20世紀のフラン ス演劇の専門家でいらっしゃったBernadette Bost先生にしていただきました。私が拙いフランス語で書いたものを、書き直す度に何度も読んでくださり、フランス語の非常に細かな使用について、また 演劇の専門家としての立場から貴重なアドバイスをいただきました。留学生活を実りあるものにできるかどうか、私の経験では指導教官の選択が最も大きな要素 になると思います。指導教官からの受け入れ許可の書類は5月、遅くとも6月中には揃えておきます。大学への登録の事務的な手続きは、定められた書類を郵送 してもらい、おおよそ7月までに行います。9月には登録許可証が送られてくるので、それら書類一式を持参して、正規登録は大学の新学期開始前、通常10月 に直接大学に赴いて行います。大使館へのビザの申請には教官からの受け入れ許可証が必要になるので、できるだけ早めに教官と連絡をとることが大切です。教 官に手紙を送るために必要な住所はフランスの学会誌や研究グループの会誌に公開されています。また、ネット上で大学案内などが公開されている場合には、教 官のメールアドレスが掲載されている場合があります。

【DEAの所得について】
DEA 取得に必要な単位は大学によって異なります。詳細は大学登録に必要な書式と一緒に送付される講義概要によって知ることができます。スタンダール大学 では、1)講義科目の試験の成績 2)指導教官が所属する研究センターで毎週行われているセミナーに参加し、定められた共通のテーマで年間1回以上行うこ とが義務づけられた研究発表の成績 3)論文と論文に関する口頭試問の評価 を2:2:6の割合で計算され、基準点を満たすことによりDEAを取得するこ とができました。1)の講義について、年間4つの講義に出席することが義務づけられていました。正確に言えば、4つの講義の試験(2時間の小論文)のう ち、点数の高いもの3つの平均が講義科目の点数となりました。3)論文の提出は6月の第1セッションと9月の第2セッションがあります。DEA取得後に登 録できる国家博士課程で奨学金を得るためには、DEA一年目の最初のセッションで論文を提出し、総合成績で2位までに入る必要があります。私もこれを狙っ て6月に論文を提出しました。論文と口頭試問の評価では2位以内に入ることができましたが、総合成績で2位に入ることは残念ながらできませんでした。一般 的には夏休みを挟んで9月に論文を提出する学生が圧倒的に多いのですが、夏休みがあることと、論文を提出する学生が多いことで、教官の指導が十分に受けら れなかったり、友人に添削を頼んだりすることができにくくなったりすると思います。実際には2年、あるいは3年かけてDEAを取得する各国の留学生や社会 人学生も少なくないようです。留学中に知りあった各地の日本人留学生の話しでは、他の大学でもDEA取得までの課程、事情はこれと似たようなものだと思い ます。履修にあたって語学力を試す大学もあるようです。

【論文と口頭試問について】
論 文には、A4版の用紙を使用する他、特に決められたフォーマットはありませんでした。各指導教官の指図に従ってフォーマットを作成します。手書きは不可 なので、論文作成にあたって、パソコンは必須です。私は日本からノートパソコンを持って行きました。平均的なフォーマットを参考までに記しておきたいと思 います。フォントは随意、ただし読みやすいもの。フォントによって本文の文字の大きさは12?14ポイント、脚注には一回り小さなポイントを使用します。 1ページは、本文の文字ポイントで30行?35行が平均的な数値だと思います。論文本体の分量としてはこのフォーマットで、100枚以上というのが目安に なります。論文の章立ては任意ですが、研究分野の代表的な先行研究に触れながら、修士論文以来取り組んできた問題を提起する序章、序章を踏まえて独自の視 点から問題を論じた数章、加えて、博士論文への展望を含んだ一定の結論が必要です。他に今後の研究に必要なものも含めた参考文献の一覧を添付しなければな りません。実際は論文を作成する前に、よく分類され、整理された参考文献一覧を作成し、指導教官の指導を受けることになります。私の場合は本文とほぼ同様 のフォーマットで30ページほどのものでしたが、これは少ない方だと思います。論文の構想を練りながら、じっくり時間をかけたい作業です。この時点で、最 低限読まなければならない先行研究や、書き漏らしてはならない重要な先行研究など、教官が教えてくれます。早めに作成し、指導を仰がなければ、論文作成ま でにこれらに当たる事ができません。  論文の提出後、1週間から2週間の間に口頭試問が行なわれます。審査員は指導教官を含めて3人。時間は30分から40分ほどでした。最初の10分間、自 分の論文について説明する時間が与えられます。その後、教官からの質疑に応じます。論文についての説明は、要約ではなく、先行研究や、独自のアプローチ、 方法論、今後の課題を含んだ博士論文への展望を述べます。論文の評価は口頭試問が終了してから、およそ1週間後に掲示されました。  論文の提出前に、一旦仕上げた論文を指導教官に見ていただき、必要な箇所を書き直さなければなりません。私は2週間前からほとんど毎日2時間ほど教官に 時間を作っていただくことができましたが、教官がお忙しい方だったり、逆にのんきな方だったりした場合、相応に、必要な時間を多めに見積もっておかなけれ ばなりません。われわれ日本人学生の場合、教官に見ていただく以前に、友人などにフランス語の添削をしてもらう必要がありますから、提出期限期の最低でも 3週間前には論文を仕上げておきたいところです。完成した論文は正副あわせて3部、製本して提出しました。製本はスパイラルで綴じる簡易製本で良いのです が、これに要する時間も計算しておかなければならないと思います。私は第1セッションでの通過を企てたために、論文提出期限が5月末となり、時間的に非常 に辛い作業になりました。渡仏に先だって、日頃読んだ論文などから使用できそうなフランス語の言い回しや、用語をあらかじめ収集し、ノートに整理しておい たのが思いのほか役立ちました。留学前に指導教官に提出する研究計画も含めて、ひとつひとつの作業をきちんとやっておくことが大切だと思います。早めに着 手し、その都度、教官に指導を仰ぐことができれば、その方が良いと思います。また、100ページ以上の論文の添削を引き受けてくれそうなフランス人の友人 を見つけることも大切です。専門が比較的近く、知的な議論が好きな友人を見つけると良いと思います。

【フランスでの生活について】
一年間でDEAを取得することは十分に可能ですが、試験の準備や論文の作成に追われ、生活そのものを存分に味わうことは難しいと思います。週末や休暇、奨 学生として定められた帰国までの期間を利用して、ロワールの古城巡り、サヴォワ地方の小さな村巡り、南仏やブルターニュ地方への小旅行、 数ヶ月のパリ滞在などをしましたが、留学前に是非訪ねてみたいと思っていたところを全て訪ねることはできませんでした。せっかく仲良くなった友人達や友人 の家族との別れも辛いものでした。もっと沢山のことを学び、フランス生活を堪能するために、もう少しプランに余裕があれば良かったのにと思います。学位の 取得にこだわらず、のびのびと留学生活を楽しむことも悪くはないと思います。フランス語や文学を「実感」するために、それもまた不可欠の経験ではないで しょうか。  フランスで培った「ものの見方」を通じて、今まで気づきもしなかったものについて思いを巡らしたりすることがあります。新たな視点から、研究対象の他に も興味ある対象を沢山見つけることもできました。フランスに暮らし、学ぶという留学の機会はどこにでもあるものではありません。是非、東北大学のフランス 語フランス文学研究室でその機会を見つけていただきたいと思います。


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