履修モデル

東洋史専修

 東洋史とは本来アジアのすべてを対象とする学問だが、本専修では漢字が使用されたあるいは使用され続けている中国文明圏と、その影響をうけた周辺地域を対象とし、特に中国史を中心に研究・教育指導を行っている。学部学生を対象とする授業には概論・各論・演習があるが、大学生活の総決算としての卒業論文を重視する本専修では、特に講読・演習での学生諸君の格段の努力を期待する。このふたつは中国古典文(漢文)の読解力、古典文史料のつかいかたを身につける、卒論を執筆するうえでの基礎的訓練の場だからである。さいわい本専修では、前近代(清朝滅亡以前)の文献史料と工具書(辞書・索引など)はほぼ完備しているし、研究室は随時利用可能だから、演習等の予習に不便はない。また本専修では卒論のテーマの決定は教員の強制ではなく、あくまでも学生の自主性にまかされる。学生諸君はみずからの責任において問題を発見しなければならないのだから、専修に所属する以前から将来のこれに対応する準備がなされていることが望ましい。具体的には語学の習得とその学力向上に加え、むしろ中国史あるいは歴史学にとらわれない、広い範囲の読書であろう。
 歴史学はなによりも人間についての学問であるし、特に前近代の中国社会をあらゆる面で指導してきた知識人たちは、往々一個人のなかに官僚・政治家・詩人・文章家・書家・思想家などの要素ばかりか、地主・資本家としてのそれのいくつかを、平然として兼備している。彼らを頂点とした社会を誤解しないためには、史学ばかりではなく文学・思想・経済・社会などの分野にわたる、ある程度ひろがりをもった知識と蓄積と、そしてなによりも現代日本とは全く異質なものに対しても、柔軟に対応できるだけの、感性を養う必要があることは、自明であろう。
 本専修では川合教授が10世紀以前の主に魏晋南北朝史、大野教授が10世紀以後の主に明清史の指導にあたるほか、例えば今年度は岡非常勤講師(清朝とモンゴル)、下倉非常勤講師(中国古代中世家族史)、中村非常勤講師(内陸アジア史)を学内外から招いて、より一層の教員スタッフの充実をはかっている。
 卒業生の進路としては公務員・教員のほかに新聞社等マスコミ関係への就職者がほぼ毎年あり、その他一般企業(銀行・電機・公認会計士等)に就職している。また、大学院(博士課程前期)に進学して、さらなる学問の探究を志す者も少なくない。

東洋史専修履修モデル

学年 授業科目名 単位数
1年次 人文社会総論 4
英語原書講読入門 2
その他 28~42
小計 34~48
2年次 東洋史概論 4
東洋史基礎講読 4
日本史概論 4
西洋史概論 4
漢文講読(乃至専門中国語) 4
その他 12~28
小計 32~48
3年次 東洋史各論 10
東洋史演習 12
その他 10~26
小計 32~48
4年次 卒業論文・卒業研究 12
東洋史各論 8
東洋史演習 4
その他 8~16
小計 32~48

※履修要望
中国語を履修することを希望する。ただし,進級にあたっての中国語の単位は必須ではない