履修モデル

日本思想史専修

 日本思想史学は諸外国や諸民族との対比において、「日本」的なものの考え方や価値観の形成過程とその独自性を、歴史的な視点から客観的に明らかにしようとする学問である。この列島上で展開された、古代から現代までのさまざまな思想的営みを広く明らかにすることによって、人間とは何か、社会とは何か、「日本(人)」とは何か、といった問題を探っていくことを目的としている。
 本専修は、博士後期課程までを持つこの分野では国立大学の唯一の研究室として、大正12年の開設以来、一貫して日本思想史研究界の中心的役割を担い、多数の優れた研究者を国内外に送りだしてきた。教育界・言論界などでも多くの卒業生が活躍している。
 日本思想史学が仏教・儒教・神道などの分野の著名な思想家を研究対象とすることはもちろんであるが、「思想」とは必ずしも高度に抽象化・体系化された論理だけをいうのではない。文芸や芸術作品のうちに溶け込んで、それを成り立たせている原理もまた広い意味での思想なのであり、私たちの日常生活のパターンそのものにも思想を読み取ることは可能なのである。
 本専修では、研究テーマの設定にあたっては学生諸君の自主性を尊重しており、研究の方法や対象についても一切制約を設けていない。学生諸君が人類文化を見渡す広い視野に立って、人間・社会・「日本(人)」とは何か、そして自分とは何かという問題を真剣に探索し、世界に羽ばたき出るにふさわしい見識を身に付けることを期待している。
 本研究室では授業のほかに、定例研究会や夏季セミナー・史料講読会の開催、学術雑誌の刊行など、大学院生が中心となった活発な研究活動が行われている。研究室の構成員やその活動状況などについては、日本思想史研究室のホームページがあるので、ぜひご覧いただきたい。
 また、日本思想史専修に進むことを考えている諸君には随時相談に応じているので、教員(教授・片岡 龍、准教授・引野亨輔)に直接連絡をとってほしい。

日本思想史専修履修モデル

学年 授業科目名 単位数
1年次 人文社会総論 4
英語原書講読入門 2
その他(全学教育,基礎専門科目入門) 28~42
小計 34~48
2年次 日本思想史概論 4
日本思想史基礎講読 4
日本文学基礎講読 4
日本史基礎講読
漢文講読
その他 20~36
小計 32~48
3年次 日本思想史各論 4
日本思想史演習 8
その他 20~36
小計 32~48
4年次 卒業論文・卒業研究 12
日本思想史各論 4
日本思想史演習 4
その他 12~28
小計 32~48