学術論文

論文タイトル 「料理テキストに見る日本の中華料理の受容と展開―『きょうの料理』を中心に」
著作者 川口幸大
発表年 2021年1月
発表雑誌・本 『会誌 食文化研究』(17), 1-13, 2021
内容
この論文では、過去1 世紀にわたり日本の家庭料理において中華料理がいかに展開してきたかを、主として料理番組テキスト『きょうの料理』のレシピと食材を分析した。結果として、戦後は主に中国出身の限られた講師たちが日本の読者に様々な中国料理を紹介していたが、1980 年代ごろからは、餃子、チャーハン、春巻きといった特定のいくつかの料理の異なるレシピがよく紹介されるようになり、また香菜やオイスターソースや豆板醤といった、それまでなじみのなかった食材や調味料が頻繁に使われることになった。このように、日本の家庭料理における中華料理は、多様な定番化の路線を進んでいると言えるのである。