学術論文

論文タイトル The potential role of robust face representations learned within families when searching for one’s child in a crowd
著作者 Yousuke Kawachi, Aiko Murata, Miho S. Kitamura, Ryoko Mugitani
発表年 2024年7月
発表雑誌・本 Scientific Reports, 14, 16790
内容

「親は自分の子どもの顔を他の子どもよりも速く見つけ出せる」
親にとって自分の子どもの顔は特別な社会的意味をもち、それを素早く認識することは、子どもへの迅速な対応やケアにつながると考えられる。しかし、親が自分の子どもの顔を探し出す過程については、これまで十分検討されてこなかった。特に、自分の子どもの顔の探索が、他の家族(配偶者や自分自身)の顔の探索と比べて、どのように類似し、あるいは異なる処理がなされるのかについては明らかでなかった。本研究では、視覚探索課題を用いて、親が自分の子どもの顔を他の子どもの顔よりも速く検出できることを示した。また、自身や配偶者の顔も、他人の成人の顔よりも速く検出できることが示された。これらの結果は、家族等の親密な関係の中で形成される強固な顔の表象が、効率的な視覚情報処理を支えている可能性を示唆している。