著作

著作タイトル SNS天皇論 ポップカルチャー=スピリチュアリティと現代日本
著作者 茂木謙之介
出版年 2022年4月14日
出版社 講談社
内容
本書の目的は2010年代を中心とした天皇と皇室をめぐるメディア表象の分析から、「表象の集積体」としての天皇(制) の現在を考えることにある。
大衆消費社会の成立以降、メディア表象を介在することによって天皇・皇族は人びとに認知・受容されており、皇室においてもその状況は永らく認識されているが、2010年代以降はその状況が加速している。
背景として2000年代以降の皇位継承をめぐる議論や女性皇族についての報道、2016年8月の明仁天皇(現上皇)による「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」以降の生前退位をめぐる議論と、2019年の令和改元などといった皇室をめぐる出来事があるのは言うまでもないが、それに加えてWeb環境の充実による言説空間の変化に伴った双方向的に表象が生成されるというメディア状況はことさらに見逃しがたい。それらが相俟った結果、2010年代はそれまでにない天皇・皇室表象が蓄積される時代となった。本書はその動向に着目し、「弱者政治」「スピリチュアリティ」「ポップカルチャー」をキーワードに、メディア表象がいかに現在の皇室を支えているのかを考察するものである。