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留学体験記

ストラスブール(学部4年)

私が留学した先はパリからSNCFで4時間半(現在はTGV開通で2時間半)、フランクフルト空港から高速バスで2時間半の場所にあるストラス ブールです。ほぼ毎年、フランス文学研究室から学部生が留学しています。その安心感があったのでフランスの留学先としてこの町を選択しました。

ここでは、私が10ヶ月の留学生活を通して驚いたことや感じたことを紹介したいと思います。

まず、私は2006年9月から2007年6月までストラスブールで生活しておりましたが、そのとき世間を騒がせていた話題はフランス大統領選でした。大学 の寮の個室にはテレビがなかったので、私はラジオと無料新聞を利用して情報収集していました。両メディア共にサルコジ、ロワイヤルの動向を逐一伝えていま した。初めは政治の話題にうんざりしていましたが、言葉が聞き取れて理解できる語彙が増えてくると、それも楽しいフランス語学習の1つとなりました。その おかげで毎朝、新聞を読む習慣がつきました。私の生活にテレビ欄は必要なかったので、日本で生活していたときのようにテレビ欄と文芸欄を見て終わり!とい うことはもちろんありませんでした。

また、大学生を含め有権者の選挙に対する関心の高さに驚きました。ある日、学生食堂へ行く ため大学構内を歩いていたところ、化学棟から学生たちが数人出てきました。彼らも食堂へ向かっているらしく、私のすぐ前を歩いていました。一見したところ どこにでもいる普通の大学生ですが、その会話の内容は「2回目の選挙、誰に投票する?」でした。

大統領選は1回目の投票で1位 の候補者が圧倒的な票数を得られない限り、上位2名で決選投票を行います。どちらの投票も直接選挙なので国民の意識は非常に高いのです。地元の新聞記者に 「留学生はフランス大統領選をどう見ているか」というテーマでインタヴューされたこともありました。「日本の大多数の若者が政治に無関心だ」と答えなが ら、内心では恥ずかしいなと感じていました。

もう1つ「恥ずかしい」思い出があります。語学学校で母国の特別な日や祝日を紹介 する授業がありました。私はひな祭りを例に挙げて発表しましたが、他国の生徒はそれぞれ独立記念日を紹介してくれました。コロンビア人、韓国人、リトアニ ア人はその日がどれほど大切なのかを国の紹介も兼ねて発表し、私は少々面食らいました。

「あなたの国はどの国からも支配されたことがないでしょ?」と言われ、認識していなかった日本の一面を見つけました。そして、誇らしく母国の話をする彼らの姿を見て、日本人の私は少し恥ずかしくなったのでした。

前期はこのように語学学校でそれぞれの国についてフランス語で説明したり、話し合ったり、レポートを書いたりする授業を受け、後期からは大学で専門科目を受講しました。

大学の授業を紹介する前にヴァカンスについてお話したいと思います。長期休暇は4回ありました。トューサンの祝日、クリスマス、冬休み、春休みです。私は これらを利用してパリ、リヨン、ノルマンディー地方を旅行しました。日本人にも馴染み深い観光地ではありますが、私はローカルバスや電車で移動し、フラン スの日常生活を垣間見ることができる旅を心がけました。そこで出会ったり見かけたりした人々のおかげで私の好奇心は常に刺激され、さらに自分の国について 考える機会を得ました。遠方だけでなくアルザス地方の小旅行や地元ビール工場の見学会に参加したり、スイスのバーゼルを訪れたりしました。

また、幸運なことに平田オリザさん演出のChant d’adieuという舞台もストラスブールで見ることができました。日本のお葬式をテーマにして日仏の文化の違いをコミカルに描いていました。

日常生活についても少し紹介しようと思います。水曜、金曜は町の広場に市場がたちます。アルザス産の野菜や果物はもちろん、cremerieという乳製品 を販売するワゴンやお惣菜屋も並びます。また、市場に行くと生産者と消費者の立場が対等だということもわかります。売り手は自ら収穫した商品に自信を持っ ていますし、買い手もよい品を求めています。威勢のいいおじさんやおばさんに負けないよう、私もがんばりました。

市場だけでなく、スーパーの品揃いも日本のそれとは雲泥の差です。特に乳製品の冷蔵コーナーは日本の魚売り場よりも広く種類も豊富です。それに匹敵する売り場面積を誇るのがミネラルウォーターです。週末になるとパックで大量に水を買います。

さて、ストラスブール大学マルクブルック校についてです。私は文学部の所属ですが、留学生はどの学部の授業をとっても良いことになっています。ほとんど、 大講義室と少人数のクラスがセットになった形式になっています。概論を知ってそれを深める仕組みです。プリントは一切渡されません。教官の話を聞いて書き 取らなければなりません。なぜなら「渡されても読まないでしょ?」というわけです。プリントを手にしただけで満足してしまう学生の怠け心はフランス人も同 じなのです。ですから授業中は必死でノートを取り、図書館で仏仏辞典を調べることが日課となりました。そのおかげで聞き取りはもちろん、フランス語をその ままフランス語で理解することができるようになりました。

10ヶ月の留学で「フランス人のようにフランス語を話す」を目標として掲げることはあまりに無謀です。私の場合、思っていたほど書くことや話すことの技術が伸びたとは感じられませんでした。語学習得には年単位の留学が必要だと思います。

ただ、フランス人にとって1年がどのように過ぎていくのかを知るにはちょうど良い経験だったと思います。それは便利な日本では決して手に入らないモノで す。私の場合、フランスについて知りたかったのに、逆に日本について気づかされた面が多く不思議な体験をしました。フランスへの留学は勇気のいる決断だと 思いますが、学部生の時に経験しておくことをお勧めします。そうすれば少なくとも、フランス=パリというイメージが、日本のメディアによって作られた、日本人のための公式だとわかっていただけると思います。


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